「キャリーとは全く違う、アクション映画と超能力ものSFの合体みたいなものとお思い下さい 土曜洋画劇場に相応しい肩の凝らない作品です」フューリー(1978) あき240さんの映画レビュー(感想・評価)
キャリーとは全く違う、アクション映画と超能力ものSFの合体みたいなものとお思い下さい 土曜洋画劇場に相応しい肩の凝らない作品です
思いの外まあまあ面白いです
少なくとも退屈で居眠りはしませんし、まあいろいろと突っ込みどころが山ほどありますが、なんじゃこりゃ!と腹が立つほどでもありません
デ・パルマ監督の前作は1976年のキャリー
それが大ヒットして彼の出世作となりました
なので本作はその続編のようなお話です
もしキャリーのような子供が他にも沢山いたらどうなるんだろうという物語です
超能力を使える可能性を持つ子供達を広く探し出して、養成施設にいれて超能力軍団を作ろうとする政府の秘密工作機関ができるだろうという設定です
ガンダムのフラナガン機関みたいなイメージでしょうか?
シカゴにおかれたその超能力養成施設に最強の超能力の素質があるとされる高校生くらいの男の子ロビンが行かされるところから物語は始まります
題名の意味は激憤
キャリーは終盤で激憤(フューリー)したことがきっかけで恐るべき超能力を発現させました
それで本作でもその男の子ロビンは、ある方法で彼を激憤させられ、超能力を無理やり開花させられます
一方、超能力者の素質があると見つけられた女子高生ジリアンもシカゴの養成施設を病院みたいなものだと騙されて入れられます
彼女はキャリーとは違って可愛くて母親も金持ちの有力者のようです
彼女が通っていた女子高は普通の女子高のようですが、実はエヴァンゲリオンのエヴァ操縦適格者が集められていた中学校みたいな学校だったのかも知れません
そこから更に選抜されて養成施設に送られるシステムみたいです
と言っても、主人公はその男の子でも女の子でも無く、男の子の父親のカーク・ダグラスが演じるピーターです
彼は養成施設を運営する政府の秘密工作機関の一員です
ジョン・カサヴェテスは敵役で、その秘密工作機関の同僚チルドレス
いつものハゲ頭でなくカツラを被っているので、序盤からでているのに彼だとわかるのにちょっとかかりました
お話は、カーク・ダグラスとジョン・カサヴェテスの率いる秘密工作機関との戦いが大部分となります
とまあ、キャリーとは全く違う、アクション映画と超能力ものSFの合体みたいなものとお思い下さい
土曜洋画劇場に相応しい肩の凝らない作品です
見所は、女子高生が発揮する千里眼のシーン
なかなか上手い効果的な見せ方をしてさすがデパルマ監督と唸ります
今回はデ・パルマ監督のキャリーや他作品に多い分割映像はありません
あとピーターに協力する養成施設の看護士ヘスターがなかなかいい感じ
特殊メイクでリック・ベイカーの名前があります
クライマックスは1981年のスキャナーズを先取りしたようなグロい肉体爆発シーンです
というか、スキャナーズが本作を元ネタにしていたということだと思います
きっとこのシーンに、デヴィッド・クローネンバーグはぐっと痺れたのだと思います
映画は救いもなく、カタルシスもなく、グロいクライマックスをやったからもうお仕舞いという風にいきなり終わります
もうちょっとなんとかなったと思うのでもったいない終わり方だなあと思いました