「ドラムのサウンド実に効果的な映画だった。」フューリー(1978) まだ無名映画原作家さんの映画レビュー(感想・評価)
ドラムのサウンド実に効果的な映画だった。
脚本としては実にバタバタしていて途中でダメかなこれはとか思った。
どこへ行く映画かと思ったりした。
しかしなんとか最後はうまくまとまっていて面白かった。
ちょうど面白いか、つまんないかの間くらいの脚本だった。
しかし、むしろこういう脚本の方が監督の実力が問われる。これはブライアンデ・パルマのタッチを楽しめて良かったと思う。
随所にアルフレッドヒッチコックの影響が見られその点でも楽しめた。
脚本的には車に乗り込むシーン。緊迫した雰囲気の映画の中にコメディタッチの部分をちょっと入れるのがヒッチコックの持ち味。あそこでは、うまくその雰囲気を再現していた。
演出的には音楽の使い方や女優のタイプ、服装がヒッチコックに似ていたかな。カメラワークではヒロインが、自分がほかの人達と違うことがわかった時のショットが秀逸だった。被写界深度を非常に浅くして女優をとらえ、大勢の中で1人だけピントが合っていた。それにより、ほかから孤立しているような雰囲気を描き出していた。
ヒロインたちが水着で歩くというストーリーに全く必要のないサービスカットがあるのも嬉しかった。しかし全体的にもっと省略できる部分が多かったように思う。私が脚本を担当していたなら、もっと、すっきりさせるべく努力していたのだが…皆さんも、もう少し短くまとまっていた方がよかったと思ったのではないだろうか?
いずれにせよこれは合格点な映画だ。ブライアンデ・パルマは、いろんな種類の映画を完成させている。本当に偉大な監督だ。
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