劇場公開日 1981年3月7日

「いい大人ほど感情を正しく表現するのは難しい。」普通の人々 じぇんぬさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0いい大人ほど感情を正しく表現するのは難しい。

2023年6月16日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

重たいテーマすぎて2日かけて鑑賞した。
脚本の種類でいうと「人生の節目」、まさに家族にとっての転機の話でしたね。

普通の4人家族、そのうちの兄が死をきっかけに波長とバランスが崩れていく。

ストーリーのテンポ感も原因ではあるけれど、雰囲気が重すぎる。ズドーーーーーン

登場人物が全然素直じゃないので表面的な会話だらけ。
ひたすら病院の待ち時間みたいな苦痛を体験できました(笑)

ストーリー自体は兄が他界したあとの状態から始まるのですが、その時点で気持ちが悪い。
決定的なハプニングが起こるわけでもないのに

家族なのに他人行儀な感じ。

カウンセリングを受け気持ちの整理をすると、堰を切ったように流れ出す感情。
大人になるにつれ”感情の所在地”が分からなくなるのだと思います。

家族だからこそ本音で話せそうなのに
家族だからと見くびって、高を括ったんだろうな。

プライドの高さがお互いを邪魔してる感じが見るに堪えない…
お互いのリスペクトさえ見当たらない、単純にコミュニケーション不足による崩壊。

普通の人々こそ迷い込む罠のようですね。

ラストシーンで”答え”を見せてもらいました。
あれこそ正解、あれがコミュニケーション、だけど中々できないんだなあ、みつを。

二ノ前