「見ごたえすんごい」普通の人々 まゆうさんの映画レビュー(感想・評価)
見ごたえすんごい
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とにかく終始暗くて重いんだが、圧巻でした。密度がすごい。見ていてずっと苦しくて心臓をえぐられるような痛みを感じて辛かったけど、本当に素晴らしかった。
「普通の人々」っていうタイトルがどういう意味でつけられたかは分からないけど、どんな人間も生きてりゃ色んな事で悩むし、どうしようも無いくらい苦しいこともあるよねって思った。そしてやっぱり愛って重要。苦しみ抜いて葛藤して、相手や自分を理解しようとして、幸せを感じて明日に希望をもって生きていきたいよ。
演技が上手いなーとか感じる隙も与えられないほどに皆さん素晴らしかった。ふっ切れたあと登場した次男は、なんかさっぱりした顔して別人みたいだった。目付きや姿勢も違う。次男の彼女は非常にキュートだった。感情を自然に表情や言葉に出せる素直さがよく出ていて、そんな彼女だからこそ自分の本当の気持ちをうまく表せない次男が、自殺未遂の話を彼女にはできたり、惹かれていくのに説得力があったと思う。
個人的には、終盤、次男が母親を抱きしめるシーンが一番感動的だった。感動的な名シーンはいくつもあるが、たぶん私にも息子がいて次男と年齢が近いことは無関係ではない。
夫婦が最終的に上手く行かなかったのはリアルで良かった。ウソ臭いうすら寒い終わり方よりずっと良いな。
私は、悩んでたり辛い気持ちの人が周りに居たら、優しい人間でいたいと思った。不器用でも一緒に、同じ人間として。そんなこと言ってる自分が一番ウソ臭いか…でもなんかそう思わずにはいられない。
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