「家庭崩壊劇にみるレッドフォード監督の生真面目さ」普通の人々 Gustavさんの映画レビュー(感想・評価)
家庭崩壊劇にみるレッドフォード監督の生真面目さ
昨年の「クレイマー、クレイマー」に続く、今日の家庭崩壊劇のシリアスドラマ。ロバート・レッドフォードが初めて監督に挑んだ話題性はあるが、慎重な演出タッチに彼の誠実な人柄が偲ばれるものの、特に演出の個性は感じ取れなかった。ドラマの複雑な心理描写では表情の影が薄い。もっと突き詰めて描いてしかるべきで、メリー・タイラー・ムーアの神経症的演技が表面的に終わる。新人ティモシー・ハットンもまだ個性発露まで行っていない。アカデミー賞受賞作品としては、全体のレベルダウンを象徴する。
1981年 4月11日 みゆき座
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