劇場公開日 1997年9月13日

「それまでの真剣なベッソンとは違った大金をかけたお遊び」フィフス・エレメント Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5それまでの真剣なベッソンとは違った大金をかけたお遊び

2016年5月8日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD、TV地上波

楽しい

単純

総合70点 ( ストーリー:55点|キャスト:75点|演出:70点|ビジュアル:90点|音楽:70点 )

 初めて観た時は、迫力のある『レオン』の後に制作されておいてこのちゃらけた緩い演出は何事かと思って、とにかくがっかりしたものだった。いったいリュック・ベッソンはこんなものに大金をかけて何をしようとしているのだという苛立ちもあった。『レオン』であのぶち切れた圧倒的な悪役だったゲイリー・オールドマンは、ここではなんてお馬鹿なひょろい悪役になったのだろうかとも思った。今までのリュック・ベッソンの世界があまりに変わってしまい、おおいに失望した。『グラン・ブルー』『ニキータ』『レオン』が傑作だったので、そのような真剣な路線の演出と結末に残る余韻を期待しすぎていたのもあった。

 久しぶりに本作品を観てみると、これはこれでいいのかなと思える。凄まじく大金をかけて未来世界の美術や衣装を一つ一つ製作し、それでいて内容は徹底的に娯楽に徹している。真剣になるのではなく、この独特の緩いお遊びのような世界を楽しめばいい。歌手が地球を背景に未来的な服で歌う場面は美しい。
 ブルース・ウィリスはまずまず。若くて艶やかなミラ・ジョボビッチはいいが、作品中での活躍という点では今一つ。おかまっぽく喋りたおすクリス・タッカーが奇抜な存在感があって一番目立っていた。日本の制服の女子高生は、ベッソン監督が日本に来て女子高生を見て気に入ったので登場らしい。

コメントする
Cape God