「怒れるX世代」ファイト・クラブ SpicaMさんの映画レビュー(感想・評価)
怒れるX世代
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単なるバイオレンス作品ではなく、主題は社会的で、ストーリーの運び方にもインパクトがあった。
毎日の生活に疲れ切った時に生まれていた、自分の中のもう一人の自分。もっと強靭な身体が欲しい。生きていることを実感できる暮らしがしたい。
拳闘を愛し精神や身体を鍛錬するまではよかったが徐々に反社会的な破壊衝動が強くなり、気づいた時には、もう一人の自分はテロ計画を首謀する暴走状態にあって、異常を疑い精神科の受診をすすめてくれた女性も一緒に抹殺しようとしていた。
もっともっと、と消費を煽られ、日々しんどい思いをして働いた果てに得られるのは何か。アメリカンドリームはもう無い。資産、高級車、一流ブランドの服、おしゃれなライフスタイル。生きるのに直接要らないモノばかりだ。ましてやそれらを所有していることと本人自身の価値は関係がない。そんなことで人を計る世界は壊してしまえ。
そんな原作者の、消費社会への疑問と怒りのメッセージが、作品のそこここで強烈なパンチとなって繰り出されていた。
ブラッド・ピットも熱演だったが、名無しの主人公を演じるエドワード・ノートンの演技量も半端なかった。それから、ヘレナ・ボナム・カーター。どこかで見たことのある女優さん、と思ったら「眺めのいい部屋」のお嬢さんだった人!女優さんて凄いと思った。
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