「レビューというか感想になります。」ファイト・クラブ しょうごさんの映画レビュー(感想・評価)
レビューというか感想になります。
他人が映画をどう見るかなんて、
個々人の自由なわけだけれども、
大抵レビュー読むと刺激的だ!とか、暴力反対のメッセージが込められてるとか、退廃的な世界がどうだの、男臭くてカッコいいとか、それもごもっともな気はする。
人それぞれ求めている答えを映画からメッセージとして受け取るのだろう。
そういう意味で、この映画はとても強いメッセージ性を幾つも孕んでいて、魅力的な映画なのだと思う。
僕がこの映画から感じたテーマは「矛盾」
や「ジレンマ」です。
二重人格の主人公の、大衆社会に溶け込む為のカモフラージュされたうまく生きる仮面を被った鬱屈した保守的な人格と、反社会的ではあるが豊かな感情表現と奔放さで活き活きとした人格が交互に現れる処に、ストーリーの原点を感じました。
主人公は自社(保険会社)の利益追求の為の人命を軽んじるシステムや、
決して豊かとは思えない生活、恋人の存在もなく友人が来るわけでもないのに、充実していくインテリア、
社員としては出世の道程を坦々と進めているのに、溜まる一方のストレスにうんざりしています。
(ここでタイラーに出会うのでストレスによる解離性障害が始まる?)
そんなある日、他人を顧みず奔放に振舞う
女性に出会います。
(タイラーとマーラーに共通するのは自己中心的だが、実在しないタイラーの方がより攻撃的、マーラーは社会で生きてきた分少しマシ。)
ここからストーリーは、タイラーが必要な物を手に入れていく流れになりますね、男臭く、皆んな大好きファイトシーンも挿入されますが、最終的にタイラーが成したかったことは、クレジットカード会社の世界中の借金履歴を落とし込んだコンピュータービルの破壊です。
要するに、ひとりの人間が矛盾やジレンマによるストレスの根源は、金銭に支配された社会と判断し、それを変えるには借金で首を繋ぐ社会構造の破壊だ。と、行き着く。が…
その道程は、男臭く反社会的ですが最後に主人公はマーラーを愛している事に気づき、マーラーを守るためタイラーの計画を止めようとします。
結果的にタイラーの計画を妨げることは叶わず壊れいくビルの中、マーラーの手を握ります。
マーラーの手を握り2人はほんとうの意味で互いを認め合えたかのように感じました。そして、目の前で崩れていくビルを優しく見つめる主人公。
(革命は男臭くて身勝手なもので、愛は全てを許すあたたかい心といった処でしょうか。)
エンディングがROCK'nRollである事にも意味を感じます。