「タイトルなし(ネタバレ)」愛に関する短いフィルム りゃんひささんの映画レビュー(感想・評価)
タイトルなし(ネタバレ)
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郵便局で働く19歳の少年トメク(オルフ・ルバシェンク)。
海外へ行ってしまった友人の母親が暮らすアパートに同居している。
毎夜、向かいの棟の女性(グラジナ・シャポーフスカ)のことを望遠鏡で覗き見している。
彼女と直に会いたいために、為替通知を偽造して、彼女の部屋のポストに投函・・・
といったところからはじまる物語。
「愛」を信じ、真実を彼女に打ち明けたトメクに対し、女性マグダは愛に応えるふりをして、彼を傷つけてしまう・・・
という展開は、『デカローグ』第6話と中盤までは同じ。
この中盤までに幾分追加のシーンがあるはずだがそれほど印象は変わらない。
印象は変わらないが、よりトメクの心情が理解しやすいように感じられました。
さて、終盤。
テレビ版を鑑賞してから時間が経っているで変更箇所を再確認できないが、たぶん異なるはず。
テレビ版では、トメクを傷つけたあとマグダは彼に惹かれていき、彼の心を自分に向けようとなにがしかの努力をしたように記憶している。
が、本作では、そこいらあたりの描写は割愛されており、傷ついたトメクは帰宅するなり自殺を図り、病院に運ばれてしまう。
必至で病院を探し回り、ようやく彼をみつけたマグダがトメクの手を握るところで、映画は終わります。
尺は伸びているにもかかわらず、物語はよりシンプルになり、それにより「愛」の物語としての純度は高くなりました。
個人的には、テレビ版よりも関心を寄せ、感心し、得心した次第。
マグダ役のグラジナ・シャポーフスカは、『終わりなし』に続いての出演。
はまり役ですね。
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