ヒット・パレードのレビュー・感想・評価
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有名ジャズマン達の演奏が気持ち良さそうでこちらも楽しくなってしまう。起承転結の有るストーリーも楽しめる。
ハワード・ホークス監督による1947年製作(112分)アメリカ映画。原題:A Song Is Born
監督自身の「教授と美女」(1941)のミュージカル版としてのリメイク作品。
有名なジャズ・クラリネット奏者ベニー・グッドマン、トランペット奏者ルイ・アームストロング、トロンボーン奏者トミー・ドーシー、サックス奏者チャーリー・バーネット等が気持ち良さそうに演奏していて、とても楽しく感じた。
個人的には特にピアノのメル・パウエル(後に、カリフォルニア芸術大学の教授となる)のリズミカルな演奏に魅了された。
元々がビリー・ワイルダーによるせいか、主人公の音楽学教授(ダニー・ケイ)とギャング(スティーヴ・コクラン)の情婦で歌手(バージニア・メイヨ)が紆余曲折の末に結ばれるというストーリーは、良く出来ていて感心させられた。ただ最後、素手での勝負ということで、ブリンストン大カーチス音楽院出のひ弱そうなインテリ教授が如何にも強そうなギャング親分に何の作戦も無く殴り勝ってしまう展開は、米国映画のお約束ごととは言え、流石にリアリティには欠けると思ってしまった。
監督ハワード・ホークス、製作サミュエル・R・ゴールドウィン、原作ビリー・ワイルダー 、チャールズ・ブラケット、 トーマス・モンロー、撮影グレッグ・トーランド、音楽エミール・ニューマン、 ソニー・バーク 、ヒューゴ・フリードホーファー、美術ペリー・ファーガソン 、ジョージ・ジェンキンス。
出演
O・Z・ホワイトヘッド、エスター・デイル、ルイ・アームストロング、トミー・ドーシー、
ライオネル・ハンプトン、メル・パウエル、ダニー・ケイ、バージニア・メイヨ、ベニー・グッドマン、ヒュー・ハーバート、スティーブ・コクラン、J・エドワード・ブロムバーグ
フェリックス・ブレサート、ルドウィッグ・ストッセル。
演奏シーンだけはお宝です
年甲斐も無く女性に初心な学者、ホバート・フリスビー教授(ダニー・ケイ)がクラブ歌手でギャングの情婦ハニー(ヴァージニア・メイヨー)のお色気作戦に引っかかって事件に巻き込まれて四苦八苦、まさにハニートラップだったのだが教授の余りの純真さに今度はハニーが惹かれてしまうというラブ・コメディ。
教授は他の6人の学者たちとトッテン財団で音楽史の編纂をしているが当時のJAZZには疎いのでクラブを巡ってミュージシャンの協力を取り付けることになる、ハニーとはその縁で知り合うのだが訳ありのハニーが財団のスタジオに押しかけてくる、男やもめの7人の教授たちはハニーのお色気にノックアウトでお姫様扱い、この辺は「白雪姫と七人の小人たち」がモチーフらしい。
見どころと言うか聞きどころはベニー・グッドマン、ルイ・アームストロング、トミー・ドーシー、ライオネル・ハンプトンなど当時の本物のジャズの巨人たちのジャムセッションでしょう、というかそれしかありません。
ハリウッドの大御所サミュエル・ゴールドウィンさんは秘蔵っ子のヴァージニア・メイヨーさんで明るいコメディが作りたかったようで、気乗りしないハワード・ホークス監督にリメイクを圧しつけたらしい、脚本のハリー・トゥジェンド(ノンクレジット)さんも陽気で軽い物語が専門ですから音楽シーン以外は猿芝居、あまりのリアリティの無さに唖然。演奏が良いだけにドラマの軽さが際立ってしまいました。
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