「被支配者の憂い。」悲情城市 Noriさんの映画レビュー(感想・評価)
被支配者の憂い。
昔観たはずですが、侯孝賢はそんなに良いのか?と当時思っていました。
九份が台湾のどの辺りなのかすら、当時は知らなかった。
世紀をまたいで二度目の鑑賞。
カタギではない大家族を中心に、1945年〜1949年までの変遷を、市井で生活している者の目線で捉えた大作。
WWⅡの終結、日本の撤退、国共内戦、ニ・ニ八事件から戒厳令に至るまで、翻弄されながらも幸せを求めんとする人間の姿は愛しい。
ドタバタはあるけれど、驚く程静かに、声高に主張することなく、その生きる様を描いていると思います。
四男文清が中途失聴者である(筆談のみ可能)、という設定が功を奏してます。
惜しむらくは、登場人物が多く、関係性を捉えるのに戸惑う人も少なくないのでは?ということ。私もその一人です。
それでもなお、今の台湾を知る上で、その底辺に流れているものを感じることのできる作品でした。
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