愛と哀しみの果てのレビュー・感想・評価
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【”私はアフリカの歌を知っている。”20世紀初頭、デンマークの裕福な家庭に生まれた女性が結婚により、英領東アフリカで過ごしたジェットコースター半生をアフリカの雄大な自然を背景に描いた作品。】
■デンマークの資産家・カレン(メリル・ストリープ)は、婚約者のブロア男爵と共に東アフリカのケニアへと渡る。
初めてのアフリカの農園でのコーヒー栽培に悩まされる中、ある日、彼女は草原でライオンに襲われたところを冒険家デニス(ロバート・レッドフォード)に助けられる。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・今作は、カレンのジェットコースターの如き、浮き沈みの激しい人生をアフリカの大自然や、ライオン、ゾウ、カバ、バッファローたちの姿を背景に、おおらかに描いた作品である。
・カレンは、アフリカの人達に医療を施し、字を教える。それが自分の定めのように。
・カレンとブロア男爵との関係性の描き方も面白い。そういう時代だったのかも知れないが、アフリカに渡り正式に結婚して農園経営に精を出すカレンと男爵の生き方は少しズレている。だが、男爵の生き方をカレンは容認しているのである。
更に言えば、カレンは男爵から梅毒を貰ってしまってもその関係性は変わらない。
・そして、ごく自然に二人は友人としての関係を保ちながら、離婚するのである。そして、カレンは初めてアフリカに来たばかりの頃に自分をライオンから助けてくれた自由人デニスと共に暮らし始めるのである。
ブロア男爵との関係性は保ちつつ。
<そして、カレンは丹精を込めて運営して来た農園を火災で亡くし、更にデニスは女友だちと旅に出かけ、飛行機事故で突然亡くなるのである。
カレンはその出来事に嘆きつつも、淡々とした表情で全てを受け入れ、故郷デンマークに戻る決意をするのである。
今作は、20世紀初頭、デンマークの裕福な家庭に生まれた女性が結婚により、英領東アフリカで過ごしたジェットコースター半生をアフリカの雄大な自然を背景に描いた作品なのである。
メリル・ストリープとロバート・レッドフォードだけでなく、出演者たちの抑制した演技が印象的な、品性高き逸品である。>
アフリカの雄大な風景は素晴らしいが、メリル・ストリープ演ずる男爵夫人カレン・ディネーセンが好きになれなかった
シドニー・ポラック 監督による1985年製作(161分)のアメリカ映画。
原題:Out of Africa、劇場公開日:1986年3月8日
主人公たちが乗った飛行機から見るアフリカの雄大な風景は、実に素晴らしかった。撮影監督デビッド・ワトキンに拍手。襲いかかってくるライオンも、怖そうであった。どうやって、あのシーンを撮影したのだろう?訓練受けているサーカスのライオンを使用した?
流石にポラック監督の「追憶」(1973)時とは異なりロバート・レッドフォードもかなり年齢は感じさせたが、それでもいい男ぶりは健在で、男爵夫人メリル・ストリープが恋に落ちるのも仕方がないという説得力はあった。
ただ、メリル・ストリープ演ずる原作者カレン・ディネーセンが、金持ちの貴族で、大勢のケニア人を使用人に使い、夜は贅沢なディナーとワインざんまいと、優雅な身分すぎて、あまり共感ができなかった。夫にほっぽり出されていたとはいえ、正式な離婚の前に、レッドフォード演ずる愛人の貴族デニス・フィンチ・ハットンを連れ込んで一緒に暮らし始めてしまうのにも、抵抗感を覚えた。
アカデミー賞貰っているものの脚本の人物設定や、演技が上手いでしょうという気持ちが透けて見える様なメリル・ストリープの演技が、自分に合わなかったのかもしれない。物語を語れる能力はあるものの気位はやけに高く可愛げも乏しく、レッドフォードがメリルのどこが気に入ったのか不思議にも思った。「追憶」のヒロイン、バーバラ・ストライサンドの不器用で何事も一生懸命な可愛らしさを、懐かしく思い出だしてしまった。
アフリカを深く愛し、結婚も含めて全ての束縛を嫌うレッドフォード演ずるデニス・フィンチ・ハットンには興味を覚えた。映画の中でも、ゾウの牙を運ぶ姿や、どこかに出掛けて暫く帰って来ない姿が描かれていたが、女性パイロットで馬調教師でもあるベリル・マーカムとも恋愛関係にあった様。飛行機事故死は都合良すぎるストーリーと思ったが、事実らしい。
監督シドニー・ポラック、製作シドニー・ポラック、製作総指揮キム・ジョーゲンセン、
原作アイザック・ディネーセン 、ジュディス・サーマン、 エロール・トルゼビンスキー、
脚本カート・リュードック、撮影デビッド・ワトキン、美術スティーブン・グライムス、
衣装ミレーナ・カノネロ、編集フレドリック・スタイン、カンプ ウィリアム・スタインカン、プ ペンブローク・ヘリング 、シェルドン・カーン、音楽ジョン・バリー。
出演
メリル・ストリープ、ロバート・レッドフォード、クラウス・マリア・ブランダウアー、マイケル・キッチン、マリック・ボーウェンズ、ジョセフ・シアカ、スティーブン・キニャンジュイ、マイケル・ガフ、スザンナ・ハミルトン、レイチェル・ケンプソン、グレアム・クラウデン、マイク・ブガラ。
アフリカの自然と動植物の美しさ
1986年のアカデミー賞の作品賞受賞作品。ほとんどがアフリカ、ケニア?の大自然でのロケなのか分からないが、 その圧倒的な風景に魅了される。特に2人が複葉機に乗ったときの空撮は最高である。ただ、ハッピーエンドを期待した私にとっては、コーヒー農園の火事によってすべてを失い、さらに恋人までも墜落事故で失ってアフリカを去ることになった主人公の心境を思うと、切なすぎるラストだ。
あと、原題「Out of Africa」と全く異なる邦題には異議あり。私だったら「遥かアフリカへ」かな。
見終わった後でも、あのアフリカの映像美と映画の中でレコードから流れたモーツァルトのクラリネット協奏曲が印象に残った
私の物語
メリル・ストリープが美しい。
ドラマティックに生きたアフリカでの日々を、形あるものとして遺した著者( アイザック・ディネーセン )の心情が溢れた作品。
上空から撮影された広大なアフリカの美しい自然が圧巻。
デニス・フィンチ・ハットン…写真に添えられた紹介文「 アフリカの貴公子 」にも納得のルックス ✨
ー君に見せたかった
ー紙切れ一枚で 関係が変わるわけじゃない
NHK-BSを録画にて鑑賞 (字幕版)
アフリカの日々
メリル・ストリープがまだまだ若くて、気高く、強く、美しく、どんな衣装もお似合いでした◎
アフリカの壮大な自然と野生(トラのシーンは、どうやって撮ったのでしょう⁈)もまた美しくて。
デニス(ロバート、レッドフォード)に髪を洗って貰うシーンもとても素敵でした。
デンマークの紙幣にもなった女性の実話。
たまたま「バベットの晩餐会」もつい先日BS NHKで観たのですが、カレン、ブリクセンの名前で小説家だったらしく、物語を作り話すシーンもあり、なるほど〜と。
ラストのケニアの召使い?からの手紙も、癒されるエンディングでした。
旅の恥はかき捨ての長い映画
トリッキーな話で結婚制度を馬鹿にしている話なのだと思う。アカデミー賞は変な映画を作品賞にする所でもある。金持ち女が、適当に結婚しようとして男は金目当てで同意するが、そんな「便宜上の結婚」をしたところで男は浮気しほうだいで、女は梅毒に罹患するのだという。これは結婚が悪いのではなくて、便宜上なのが悪かったのである。それを結婚が悪いと誤解させては間違いであるし、詐欺であり悪であろう。ただ、それまでに便宜上であったとしても、確執の中でも夫婦としての精神的関係は垣間見せたところは若干の救いだったかも知れない。それが人間の本来の情のかけらである。キクユ族のシーンはどこまでが演技で、演者なのか。ライオン役のライオンや牛役の牛も大変だっただろう。どう撮影したんだろうか。主人公は夫以外と性行為してなかったから、梅毒が夫から移されたとはっきりわかったが、これもフリーセックスだったら誰が梅毒持ちなのかわからなくなってしまう。エイズなんかはそうだった。死への感染源が広がるのがフリーセックスである。生命的だけではなく、精神的にもだ。西洋人がアフリカ人にでもどこにでも教育と称して文字を教え、現地人のもともと持っていた文字ではない知を操作して管理しようとするのを皮肉る場面がある。梅毒で子供もできなくなっても頑張っていたのだが、夫の不倫癖が治らず結局離婚に至ってしまう。
西洋人の介入というよりも、科学技術と金銭の介入なのだろうな。夫との不仲の別居中に、たくましい男と会ってしまい揺れ動いてしまうというのも、ひどい社会現象ではある。ここら辺、罪の映画な可能性がある。だがこの場合の主人公はけじめはわかっている人物だったようだが、やがて離婚後に、後の男のほうと、交際が始まる。後の男のほうもそこはジェントルマンだったようだ。と、思わせるが、そうではないのかも知れない。これは悪い映画の可能性が高い。広大な自然の中を二人きりで夜に食事をして語り合うが、性行為することなく、夜が明け、後の男は女にアフリカの自然を見せたかったから。この映画はアフリカロケをせっかくしたから長くしたかったのか。2時間40分という、40分が長すぎる。冗長な感じを受けてしまう。ライオンが向かって走ってくるのはどう撮影したのか。緊張感がある。結局2夜めに不倫映画になってしまった。これでもうダメな映画となり、アカデミー賞が正しい賞ではないという事がわかった。無駄な時間だと感じさせる映画である。まだ途中だが、昼飯の時間だ。ネットでみると、あとの男は事故死するらしい。梅毒と事故死。神様に罰を与えられたという事である。そういう意味では評価は高くなろう。
ストリープの老け役
いまやハリウッドで過大評価されている女優として、全世界が知るメリル・ストリープ。彼女が乗りに乗っていた頃の作品。
確かに近年の彼女の出演作品は残念なものが多い。ABBAのヒットナンバーをちりばめたミュージカル映画は、彼女の歌唱を観ているのが辛すぎて、鑑賞を途中で止めてしまった。こんなことは年に200本くらい映画を観ていても、そうあることではない。
だから、彼の発言も全くの出鱈目にはならないと思う。
だが、やはり彼女はハリウッドの歴史に名を残されるべき俳優の一人であろう。
老け役が評価できないのはある意味当然なのだ。なぜなら、彼女は全盛期から年齢のわりに老成した役を演じてきたのだから。
やっぱりメリルストリープって顔的にも高貴な女性とか手の届かないよう...
やっぱりメリルストリープって顔的にも高貴な女性とか手の届かないような女性の合うと思う。ただ今回はただのお高くとまった女性ではなく、一番最初の印象から微妙に変化して人間としていい部分の印象がでてきたのがよかった。人として強い生命力を感じた。
台詞のセンスがよかった。この手のものは相手が言ったことをそのまま返すんじゃなくて違った方法で返すからcoolだった。
メリルストリープのキャラクターには共感が働いた。
終盤の台詞にあったように「あなたの言う通り私のものなど何も無かったわ」というところがこの映画のテーマにあった気がするが、ロバートレッドフォードの墓に土を掴んだところで震える手と、その土を投げかけられなかった描写によって彼女は完全には神に自由であった彼を委ねられなかった心情が感じ取れた。ここからこのテーマの答えを完全にはを断定しなかった点が、この映画のいいところだと思う。
アフリカに暮らす人々と大自然の描写が素晴らしさ作品。
作品内容の素晴らしさからすると、邦画のタイトルは、今一つ。
アフリカを舞台に、そこに暮らす人々や、大自然が素晴らしく描かれていたことを考えると、原題のままで良かったのでは?
ロバート・レッドフォードの容姿の衰えは隠しようもないが、老いてなお魅力的でもある。
この作品を観るまで、メリル・ストリープはあまり好きな女優ではなかったが、私の中での評価は、一変した。
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