パリ、テキサスのレビュー・感想・評価
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いろいろな愛のカタチ
追いかけるのも愛、逃げるのも愛、忘れるのも愛・・・
いろいろな愛のカタチが凝縮されていました。
純粋な息子のハンターを中心に交錯する愛の表現は感性に訴えかけてきます。
広大な昔のアメリカの風景も手伝って、心に刺さる映画でした。
デトックスに成功!
「ミッシング」で回った毒消しに、初めて観るこの作品を選んで大正解。自分の求めているのは、やはり精緻に造り上げられたフィクション。ラスト前の二人の長過ぎる程長い会話にもなんか安心する。
ヴェンダースは画の人と「ベルリン天使の詩」のレビューに書いたけれども、今回は色の人でも有った。特に“赤”、帽子、モーテルのシーツと服の色から始まって、ナスターシャのふわふわセーターでクライマックス!
アメリカ人じゃないからこそ美しいアメリカを描ける、「パーフェクトデイズ」もきっと同じなんだろう。
前々から観たいと思っていた作品、午前十時の映画祭にて鑑賞する事が出...
前々から観たいと思っていた作品、午前十時の映画祭にて鑑賞する事が出来ました。
傑作ロードムービーという触れ込みでしたが、ロードムービー感は大分薄めです。
ナスターシャ・キンスキーの美しさにびっくりしました。
弟夫婦の心情を思うとラストは複雑に感じます。
赤の色使いが印象的で、お気に入りの作品になりました。
そこに「愛」はあるんか??
テキサスの砂漠を彷徨って小さな町にたどり着いて倒れた男。
持ち物から、遠くのロサンゼルスに住む弟に連絡が入る。
弟は4年間行方不明だった兄を迎えに行くが
その兄は、何を訊いても、何も答えず、
心配する弟からも逃げようとする。
そんなひどい状態から話は始まる。
弟がとってもいい奴で、
辛抱強く何も話してくれない兄に付き添い
自宅へと連れて帰る。
出だしから「ダメ男」嫌いの私にはもう許せん!!(笑)
けど、1人の男が妻も子供も捨てて
4年間もアメリカの荒野を彷徨っていたのには
深〜〜い深〜〜い訳があってね〜〜。
それを知った時、貴方はどんな感想を抱くのかしら??
映画館で全集中で観るタイプの映画です。
で、月に8回ほど映画館で映画を観る
中途半端な映画好きとしては
コロナの自粛期間にネット配信で鑑賞した時は
集中力が持続せず、どうも最悪な感想になってしまった。
(その時の最悪な感想が幾つか後に転がってます。
システムが変わって削除出来ないため。(苦笑)
映画館で集中するしかない環境で観たら
また感想が変わるかと思い、
午前10時の映画祭で改めて鑑賞。
4Kリマスターの画面は
青空と荒野と彷徨う男の赤いキャップの
コントラストが美しく
流石に家で配信で観るのとは大違いでした。
その分、確かに自宅で配信での鑑賞より
内容は理解出来たがその分、何かとモヤモヤした感情が残った。
弟が異常にいい奴過ぎて主人公トラヴィスに腹が立つ。
弟の妻、アンがなぜかトラヴィスに幼い子供の様に
過剰にベタベタ接する感じがちょっとキモイ。
これって「大人になれないトラヴィス」
という記号なのか〜〜??
トラヴィスの8歳の息子ハンター。
4年間も放り出されていたハンターとの距離を何とか詰めようとするが
結局大事なところで、子供に責任転嫁するダメな父親〜〜。
若く美しい妻に執着し過ぎて、嫉妬のあまり妻を束縛し
妻の精神を崩壊寸前まで追い込んだ4年前のトラヴィス。
マジックミラー越しに4年ぶりに再開した元妻に
正体がバレないのを良いことに
自分の執着のままに、結局4年前と同じ言葉で
激しく問い詰めてしまう。
私には、どこまで行ってもトラヴィスは
女を、自分の所有物、執着の対象としか扱えない
哀れな男に思える。
女性を1人の存在として尊重することが出来ない。
トラヴィスに「愛」があるとすれば
何も変われない自分自身を諦めて
せめて母と子が元の生活に戻れる様に見届けることだけ。
それがトラヴィスの4年間に見出した「愛」なのか??
何度観てもいい ヴィム・ヴェンダース監督が贈る、失った家族を取り戻そうと生きる男の辛く切ないロードムービーの傑作
午前十時の映画祭14で鑑賞
本作、作品のクオリティの高さもさることながら、ナスターシャ・キンスキーさんがメチャクチャ綺麗で大好きな作品です
ストーリー展開も作品の持つ空気感も好きで、何度観てもいいなと思える作品
特に今回は自宅のDVDではなく、劇場&4Kリマスターという環境で観られて感動ひとしおでした
家族を一度は捨て、しまいには家庭を崩壊させた男が愛する妻とその間にできた息子との関係を取り戻そうと旅をするロード・ムービー
約40年前の作品ですが、あらためて観るといろんな所に現代のヴィム・ヴェンダース監督色が出ていて、この時からなんだ、ととても興味深く観ました
例えば、主人公トラビスを演じるハリー・ディーン・スタントンさんが終始 時折よく観ていないとわからないぐらいのレベルで微笑みます、何に対してかは不明ですが、まるで「パーフェクトデイズ」で役所広司さんが演じた主人公平山の様でした、という具合です
中盤、トラビスが息子ハンターの下校時間に学校まで迎えに行きますが、自分を捨てた父親を直ぐには受け入れられず無視して友達と帰ってしまうけど、時間を重ね徐々に受け入れ最後は一緒に帰るようになるくだりがとてもハートウォーミングで好きなパートです
そしてラスト、トラビスがナスターシャ・キンスキーさん演じるジェーンにマジックミラー越しに心中を吐露するシーンは何度観ても最高の緊張感と感動に震える名シーン
永遠に交わることのできない男女を相手が見えないミラーで表した表現も見事
ホントに映画っていいなと思わせてくれる良作です
今観ると味わい深い
午前十時の映画祭での4K修復版
「パーフェクトディズ」のヴィムヴェンダース監督の代表作だと思うけれど、前に観たのは高校生だったので当時よくわからなかった
見返してみると子供だとわからないなかなか味わい深い作品だった
荒野で彷徨っているハリーディスタントンのイメージばかりついてる作品だけど、バラバラになった家族関係のカケラなんとかつなぎあわせようとする話。
母親役のナスターシャキンスキーが美しい
ミラーボックスの用心棒にちょい役でジョンルーリーが出ていてびっくりした。
説明過多にならない叙情的な物語
ただストーリーを追うだけではダメな映画なんだろうと思います。見るべきは各俳優の演技、特に表情でしょうね。過去と現在がつながったことで心が揺れ動くさまを皆がとても繊細に表現しており、子役の人もその辺りはまったく大人と遜色なくて感心します。
物語も大詰めになってようやく登場する、主人公の妻であり子供の母であるジェーンがえらい美人さんで誰かと思ったら、ナスターシャ・キンスキーでした。正面からもいいですが、とにかく横顔がきれいです。俗な見方をするなら美しすぎる妻を持った男の悲劇、ということにもなるんでしょうか。
「PERFECT DAYS」のヴィム・ヴェンダース監督の作品ということで見てみましたが、序盤の一言も発しない主人公とかセリフより表情に感情が現れているところとか、共通するところもありますね。「ベルリン・天使の詩」よりは俗っぽくて、「PERFECT DAYS」よりは動きがある話なので、とっつきやすい感じはしました。
ハリー・ディーン・スタントンが男の哀愁を見事に表現した秀作!
「パーフェクト・デイズ」がとても良かったので、午前10時の映画祭にてビム・ベンダース監督の過去の名作を初鑑賞。
ロードムービーでカンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞したというくらいしか予備知識なく見たのですが、味わい深い映画でした。
タイトルのパリがまさかテキサス州にあるパリだったとは知りませんでした。
荒野をさまよっていたトラヴィスが弟夫婦に保護され、徐々に記憶を取り戻し、息子との絆を取り戻し、ヒューストンにいる妻を探す旅にでる。
妻役のナスターシャ・キンスキーがなかなか登場せず、焦らされましたがやはり美人でした。彼女が画面に出るだけで視線がくぎ付けです(笑)
息子役の子供もいい味だしてましたねえ。
せっかく妻と再会できたのに、なんだか切ないラストでした。
大人の映画ですね。ライ・クーダーの音楽が沁みました。
ニュートラルなロードムービー
午前10時の映画祭で観賞。
俳優は自然な間や脚本。
街や小物は自然なセット。
魅せようとやっきな昨今の映画とは違いナチュラルでしたので文化や時代が興味深かったです。
洋版、寅さんのような‥
とても繊細だけれどもじんわり温かい
いい映画でしたね。
きっと何回も観たくなる。
荒野を歩き続ける男が何故何のために歩き続け、そして倒れ、そしてだんまり。
不思議極まりなくさっぱり分からないオープニングだが、音楽とトラヴィスなるその男の表情に釘付けになる。
トラヴィスが倒れ運び込まれた病院から連絡を受け、弟のウォルトがはるばる迎えに来るが、記憶が曖昧で、だどたどしいトラヴィスを連れ帰るのに苦労する。
それだってトラヴィスが飛行機を嫌がったから、2日かけてテキサスからロスに車で帰ることになったのだから。
なんだよ、何があってトラヴィスそうなったんだよ
でもやっぱり ストーリーに入り込む。
ウォルトが優しい。そしてアンもすごく優しい。トラヴィスの失踪後、トラヴィスの子供ハンターを我が子のように愛情を注いで育てた2人。7歳のハンターも素直に育ち、ハッキリと覚えていない父親トラヴィスとの再会も、最初こそぎこちなかったが、だんだんと打ち解けていく。
アンから妻の消息について打ち明けられたトラヴィスは、妻のジェーンを探すことに。そしてそれを聞いたハンターも、もちろん行きたい。それまで父親としての記憶も曖昧だったが、行くか行かないかもハンターに決めさせて、家への電話にも責任を持たせるためにハンター自身に電話させる。
トラヴィス自身も父親らしく成長を遂げていっていたのだ。
だが、突然いなくなったハンターを心配するウォルトとアン。ハンターからの電話に、頬に一筋の涙をつたわせながら安否を確認するアンの気持ちが切なすぎた。ついに私まで泪してしまった。
そしてトラヴィスとハンターの、ママを探す旅が始まるのだ。2人の、前からそうだったかのような仲のいい父子のやり取りが、空白の4年間を感じさせない。
そしてとうとうジェーンを探し出すが、そこで何故トラヴィスが、さまよい歩き続ける程に、心が壊れ記憶をなくしてしまったのか露になる。
そしてジェーンもトラヴィスを愛してはいたが、不安定な夫と小さな子供を支えるには若すぎたのだ。
トラヴィス、ジェーン、ウォルト、アン
の演技がすごく良くて、表情だけでものすごくいろんな感情が伝わってきたが、何よりもハンターの純真な演技が響いて素晴らしかった。
トラビスはどこへ行くのだろうか
『パリ、テキサス』、冒頭の砂漠の彷徨とナスターシャ・キンスキーが美しい覗き部屋をぼんやり憶えているだけで約40年ぶりの再見。
昔は長く思えた146分も今では比較的普通の上映時間。
謎を孕む展開を緊張感を抱えて進んでいくロードムービーを最後迄楽しんで観た。
導入、意図不明の放浪を続け行き倒れたトラビスと知らせを受け4年ぶりに再会した弟との奇妙な道行きが興味深く非常に面白く観られる。
紆余曲折の末ロスの弟夫婦の家で4年前残した8歳の息子と再会する。
最初はぎこちなく学校の迎えも拒まれるトラビスだが過去の8ミリを観ることなどを経て次第に親子の絆を取り戻していく。息子役ハンター・カーソンの最初のよそよそしさと次第に愛情を露わにしていく変化の表現、幼いが賢さを感じさせる演技は見事。
やがて2人はヒューストンへ妻ジェーン(母)を探す旅に出る。
もう兄の息子を手放せない程愛している弟夫婦の気持ちが強く伝わる描写も良い。
この作品は途中迄しか脚本がなく順撮りで随時考えられたというがトラビスが妻ジェーンを見つけた後に選ぶ最後の選択は意見が分かれるのはわかる。
本来弟夫婦がトラビス達を追いかけて行く展開も考えられ撮影もされたらしいがこれはあった方が良かったと思う。
話相手を確認できないマジックミラーで隔てられた覗き部屋で再会するナスターシャ・キンスキーは美しい。二つの場面でのワンカットに近い長い会話場面は高い緊張感でみせる名場面となった。またホテルでの再会も胸を打つ。
ヴェンダースは昨年『PERFECT DAYS』で美しい東京の夕闇や夜景の中で孤独な男の姿を描いたが『パリ、テキサス』にも共通する部分も多く今観る(観返す)べき映画だと思う。
柔らかい無常感が魅力の作品。「PERFECT DAYS」と比較してみると面白いですよ。
ドイツでのロードムービー3部作で国際的に評価を得たヴィム・ヴェンダースがアメリカ資本を得て念願だったアメリカ南西部を舞台のロードムービーとして撮った作品。
弟ウォルターが兄トラヴィスを迎えにテキサスまで行き車でロスアンゼルスに連れ帰る第一部、トラヴィスと弟夫婦そして実子のハンターとの交流を描く第二部、そしてトラヴィスとハンターが、トラヴィスの妻ジェーンを探しにヒューストンに行く第三部の三部構成になっている。(かなり長い)
狭い意味でのロードムービーは第一部であり、二部・三部は脚本のサム・シェパードにより家族の崩壊や再生といった要素が取り入れられている。でも広い意味では全編を通して人生を旅として捉えるロードムービーであるといっても良いかもしれない。ヴィム・ヴェンダースという人は不思議な人で故国ではあまり作品を作らず海外で色々なテーマの映画を撮っている。いわば常にエトランジェ、旅人の視点に立っている人であるのでロードムービーはお手の物である。ただ基本、映像詩やドキュメンタリー向きでありドラマはあまり得意ではないと私は思っている。午前十時の映画祭で次回、上映される「ベルリン天使の詩」も少なくとも私は全く駄目だった作品である。ユーモアが効かないのも昔からの特徴だと思う。
とはいえ本作は、覗き部屋のくだり以降は一気にトーンが暗くなるものの、そこまでは何かふわふわとした明るい無常観のようなものが漂っていて嫌いではない。恐らくはカメラとライ・クーダーの音楽によるものであろう。ロードムービーっていうものはそもそも地に足ついていないほうが良いかもと思うのです。
「PERFECT DAYS」も主人公の人生を旅のように捉えた一種のロードムービーなのですが、映画自体がタイアップであり主人公をかなり無理を重ねた設定にしており、そんなやついねぇよ、とイヤな気分になってしまうところが本作と全く違いますね。
土地を買ったんだ。テキサス州、パリ。
オールナイト三本のうち、2本目。
この夜の興味はこの映画。なにかにつけ、監督の作品の中で名が挙がるのだから。
パリ、テキサス。フランスのパリとアメリカのテキサス州の話かと思ってたら違ってた。映画の中でもそのくだりがあるのだから、僕がそう勘違いしてたとしてもしょうがあるまい。
ハリー・ディーン・スタントンは「LUCKY」しか知らず、ゆえに老いぼれの爺さんの印象しかなかったけど、なるほど若いころはこんな雰囲気なのかという感慨があった。その、トラヴィスが徐々に父親としての自覚が芽生えていく過程は微笑ましい。そしてたぶん、トラヴィスとジェーンの再会の場は、甘く切ない大人の恋が再燃する感動のシーンなのだろう。あのシチュエーションはちょっと萌える。だけど、ひとつ引っかかる。突然の再会だとしても、それが声だけのやり取りだとしても、何年か一緒に暮らした夫の声に気づかないものなのかということだ。どの男の声からもあなたの声が聞こえる、とまで言っておきながら、すぐにわからないの?と焦れてしまった。かつての会話とはトーンが違っていても、愛していた相手なら一言二言で気づくものではないか、愛が足りないのじゃないか、と。
ハンターを連れ出し、女に預けてしまったあとの、弟夫婦の気持ちはどうなるのか?というもやもや。ハンターとの旅は、ハンターの為を思ってことだとしても、ハンターを献身的に育て上げた弟夫婦に対する配慮としてはいただけない。堅苦しいといわれてもその思いが強い。つまり、監督と僕とでは、なにか感情の置き所が違っているのだろう。
全部かっこいい
映像もストーリーも音楽も、演技・演出・役者も、ロケーションやモチーフも、とにかく画面に広がるありとあらゆるものが格好良くて、静かにじっくりと映画時間を堪能できるのではないでしょうか。小難しいことなど一切ありません。展開される事柄を素直に感じるがままに捉えていけば最高の2時間半になるはずです。
いい映画だとは思うけれど全く合わなかった
高評価しているレビューアーの多くが、映像が、音楽が、ナスターシャ・キンスキーが、と書いてるが、これらはもう好みの問題だ。いい映画だとは思うけれど、少なくとも私には刺さらなかった。
映像の良さで作品を評価することはある。映画の一番は映像だと思っているので、どちらかといえば比重は大きい。しかしそれは、映像に意味がある場合と「おっ!いい画だ」と思えるインパクトが必要だ。後者はやはり好みの問題であるから合わないものは仕方ない。
例えば映画監督のウッディ・アレンは人気があって評価もされているが、あまり好きではない。やはり好みに合わないのだ。合う合わないは嫌でも存在してしまう。
あとは、内容がちょっと前時代的で受け入れがたく、苦い気持ちになったのもマイナスだ。ビタースイートなラストに感動!しないこともないけれど、ついアンのことに思いを馳せてしまう。
弟とその妻アンはハンターを育ててくれていた。ハンターはその二人をパパママと呼び実の両親のように慕っている。アンとハンターは本物の親子だったのだ。
血の繋がりに重きを置きたいのは分かるけれど、アンとハンターの親子関係を否定しているような感覚になるのはいただけない。
もう一つオマケに、タイトルにもなっている「パリ、テキサス」の意味するところは何となく分かったけれど、それが内容に効いてこないのは勿体ない。
せっかく、なんのこっちやなタイトルの意味があるのだから、それを活かせてインパクトを与えて欲しかった。
なんとなくずっと鑑賞するタイミングがなかったけど 観てよかった。 ...
なんとなくずっと鑑賞するタイミングがなかったけど
観てよかった。
すごく言い映画だけど言葉で説明するのが難しい。
トラヴィスがほとんど話してくれないので。
でも言葉で語ることが全てではないとゆうことを映画で示してくれてる作品で、多くの人に愛されているのに納得。
スタイリングが神がかってる。
配信で鑑賞
答えなんてない...
学生だった30数年前、ヴェンダースの作品は一通り目を通したはずなんだけど、今この映画を観返してみるとほとんど記憶にない。若くて人生経験に乏しかったあの頃。きっとただただ長くて退屈なこの映画のレンタルビデオを舟をこぎながらから回しさせていたんだと思う。
時を経て、社会に出て、家族をもって、それなりの人生の厳しさや喜びを味わってきた今、この作品のあらゆるシーンで色々と考えさせられてしまう。随所で流れるギターの音色が心にしみる。家族の在り方って何なの...その答えはやっぱりわからないまま。そう、答えなんてないんですよね...
ロードムービーのお手本のような名作
これまた名作ですね。
ロードムービーのお手本のような作品。
冒頭から、我々の目の前に「どん!」と大きな謎が呈示される。
この男は、何者なのか? どこから来て、どこへ行こうとしているのか? なぜ黙ったままなのか?……。
やがて、荒野をさまようファーストシーンは、主人公の虚無感や絶望的なこころの内を表現したものだとわかる。
ライ・クーダーの音楽がぴったりすぎるほどぴったりとハマっていて、本作のトーンを決定づけています。
そして、ナスターシャ。美しすぎる!!
ラストシーンの長回しは、この映画のハイライト。
悲しいけれど、けっきょく2人が直接向き合うことはなかった。
あの、風俗店の仕切りが、もう修復できない夫婦の関係を象徴しているのですね。
アメリカの匂いをプンプン感じる映画でもありました(アメリカに行ったことないけど)。
全97件中、21~40件目を表示