パピヨン(1973)のレビュー・感想・評価
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脱獄映画では1番面白い~。
ステーヴマックィーンがこんな演技をするとは!あのボロボロになって行く演技は圧巻です。ダスティンホフマンも素晴らしい。このか2人の演技でこのパピヨンの質が断然アップです。2人の老いぼれてく姿や仕草は名俳優の証だね。脱獄映画は大好きだがほとんどの脱獄映画は脱獄してハッピー的なのが多いのですがこのパピヨンは違っている。脱獄より自分からの自由を求めて友情や裏切り犠牲を上手く自然に作り上げてる。見事です。
脱獄系映画の名作
監督のフランクリン・J・シャフナーは猿の惑星を撮った5年後にこの作品を完成させたわけだが
実話を基にしたシリアスな内容を
見事エンタメに昇華している
スティーブ・マックイーンの鬼気迫る演技に圧倒される
偽札師ドガ役のダスティン・ホフマンの存在が
緊張感溢れるシーンでも落ち着きをもたらす
後の脱獄系映画に少なからず影響を与えている名作
無罪の男の犯した本当の罪とは
総合:90点
ストーリー: 95
キャスト: 95
演出: 90
ビジュアル: 80
音楽: 85
仲間に裏切られて殺人の罪をかぶせられ、生きては戻れない南米の監獄に送り込まれてしまったフランス人の男、パピヨン。劣悪な環境の中で次々と他の囚人が命を失ったり自殺したりする。パピヨンは自分は無実だという思いに自由を求めて何度か脱獄を試みるがことごとく失敗、そのたびにさらにひどい環境での囚人生活となる。
誰とも話すことが出来ず太陽も当たらず通常の半分の食事しか与えられず、死を待つばかりの独房の中。地面を這う虫を食べてかろうじて命をつないでいるパピヨンは、ある日夢を見る。
砂漠の中をパピヨンがまっすぐと前を向いて歩いていく。地平線の向こうには裁判官たちが立って彼が近づくのを待っている。パピヨンは彼らに自分の無実を主張し立ち向かう強さを秘めて進んでいく。そのパピヨンに裁判官が言う。
「罪状は知っているな」
「俺は無罪だ。ポン引きを殺していない。無理やり有罪に仕立てて俺を非難している」
「それはそのとおり。だがお前の本当の罪はポン引きの死と関係はないのだ」
「なら俺の罪はいったい何なんだ」
「お前は人間が犯しうる最も恐ろしい犯罪を犯したのだ。私はお前を"人生を無駄にした罪"で起訴したのだ」
そのとたん、パピヨンは自分が犯した本当の罪を理解してつぶやく。
「有罪だ・・」
「そして刑は死刑とする」
「有罪だ・・、有罪だな・・」
そして罪を認めたパピヨンはうなだれて振り返り、もときた砂漠を歩いて帰っていく。彼は自分の人生を何年も壮絶に無駄に過ごし、それを二度と取り戻すことは出来ないことを悟る。
数多くの映画の名場面と言われるものの中でも、最も好きな場面の1つです。極めて悲惨な監獄ではあるものの、他の囚人達は犯罪を犯してそこへ送り込まれいわば自業自得で罪を償っている。しかし本来そうなる必要のなかったあまりに悲惨な人生を監獄の中で過ごさざる得なかったパピヨンであるからこそ、その罪の深さ・喪失感は計り知れない。
監獄生活の厳しさ・囚人への取り扱いのひどさ・自分を犠牲にしてまで貫く友情・命懸けの脱獄の試みと、この映画の見所はいくつもある。しかし私にとって一番の見所は、"人生を無駄にした罪"を犯したパピヨンの喪失感であった。それがあるからこそ、彼はその罪を償うためにも文字通り命をかけて何度も脱獄を繰り返した。彼の脱獄への強烈なまでの執念はただの刑務所からの脱出ではなく、彼自身の犯した本当の罪への贖罪であった。そこが実際に詐欺の罪を犯して監獄送りとなり、囚人生活の中にも多少の平穏を見つけたホフマン演じるドガとの違いでもある。そんな男の壮絶な人生の波乱の物語である。
絆は知らぬまにできている
実話を少し変えながらストーリーが構成されているが、あまりに淡々としすぎているのが目立った。が、重要なテーマ「絆」というものがよく描かれている。そしてたまに出る出演者目線で撮るカメラもばっちし。そしてサウンドの挿入の仕方もすごい。数少ない挿入だがそれも意図されているように思える。
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