「長さも映画の良さだと思った」バリー・リンドン お湯かけ論さんの映画レビュー(感想・評価)
長さも映画の良さだと思った
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映画が個人の人生を描くとき、90分で済まそうとするのが傲慢だとすら思った。そして、個人という部分が社会という全体を映すような映画が好きだ。長い上映時間で緻密に人生を描くことは、。ノーラン監督のような時間の入れ替えで何かを語る映画も好きだが、
色んなところで書かれているように、キューブリック監督は完璧主義者なんだなと思わされた。映画の展開自体はずっと淡々としているが、背景や衣装に本当に当時に撮影したような緻密さがあって、映像全体として飽きることがなかった。これはキューブリック監督のこだわりがなしている技だと思う。
また、バリーの波乱の人生が面白かった。実は、展開自体は因果応報とも言っていいが、青年期に受けた理不尽や子煩悩な一面が彼への共感を生み出していると思う。そして、バリーの人生が階級を行き来するのが当時社会にリアリティを感じさせて、すごい。青年期の決闘で戦った公爵に、後半のバリーの姿に重なるようにも見えた。
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