「You ever dance with the devil in the pale moonlight? ティム・バートン監督の元祖?バットマン」バットマン アキ爺さんの映画レビュー(感想・評価)
You ever dance with the devil in the pale moonlight? ティム・バートン監督の元祖?バットマン
オタク監督のティム・バートンらしさが全面に出ている元祖?バットマンです。昨今のリアル思考のアメコミムービーに相反する様にコミックの世界観を再現している所が特徴ですね。レトロモダンな街並みが良くできています。
実際観たことないのですが、この作品以前のバットマンってもっと明るくコミック色が強かったのではないでしょうか?それをダークな雰囲気の映画にしたてあげたティム・バートンは、それまでのアメコミ映画の常識を覆し、そのことがアメリカでの大ヒットに繋がったのだと思われます。あ、日本ではあまりヒットしなかったみたいですが(笑)
マイケル・キートン演じるバットマンが意外と弱い!変なガジェット持ってる普通の人です。面白い事に人々から信頼を得ている正義の味方として描かれていないのが味噌ですね。立ち位置はあくまで勝手に自警団やってるおかしな金持ちです。そこがヒーローでもヒーローとして描かないティム・バートンの嗜好でしょう。「ビートルジュース」をやってたマイケル・キートンならもっとアクの強い演技もできたでしょうに、ここでは抑えています。
対するジャック・ニコルソン。もう好き勝手に暴走してます(笑)カッコ良さそうなセリフを吐いて自分に酔ってる自己顕示欲の強いジョーカー。ティム・バートン特有の薄暗い雰囲気を醸し出す作品の中で、昔ながらのいかにもアメコミな悪役をポップに、楽しそうに演じています。どうしても「ダークナイト」のヒース・レジャーと比べてしまうのですが、コミックっぽさを強調しているティム・バートン版ではジャック・ニコルソンの方が馴染んでいる感じです。でも、絶対「ダークナイト」の雰囲気には合わない。もし「ダークナイト」がこんなジョーカーだったらきっと名作にはならなかったでしょう。
きっと撮る監督に依って全く雰囲気の違う作品が出来てしまうのが、「バットマン」という素材の魅力なんでしょうね。どちらかと言うと雰囲気映画の部類に入ってしまいそうなので万人にはオススメできない、でも好きな人にはたまらない、いかにもティム・バートンな作品でした。
再鑑賞履歴
2022/3/6