「理想の生き方」ハロルドとモード 少年は虹を渡る Hitomiさんの映画レビュー(感想・評価)
理想の生き方
とにかくパワフルで、破天荒な老女、モード。時折見せるイタズラな笑顔がチャーミングで、最高に魅力的です。
常識やモラルに縛られず、したいように生きるモードを見ていると、清々しい気持ちになります。自ら80歳という区切りをもって命を絶ったように、限りを知っているからこそ彼女は今を輝くことができるのです。
鑑賞後は爽やかな幸福感とともに「世界は広い、私はまだどこにでも行ける」という当たり前であるはずのことに気付かされます。
野原で転がり叫ぶふたりは、間違いなく世界でいちばん幸せな恋人たちでした。
犯罪がうまいこと揉み消されてストーリーが進んでいく点については、現実世界ではありえないことですが、映画のなかくらいはそうして夢を見ていたいし、それくらい突き抜けたことをしてくれた方がスッキリします。
首吊りや流血のシーンもありますが、キャットスティーヴンスの音楽の作用でしょうか、比較的ライトな感覚で見ることができると思います。
自ら死を隣に置いて生きる者は、最強である。
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