劇場公開日 1956年10月12日

「程良く自然に接しないと多大な犠牲が、との寓話にも…」白鯨 KENZO一級建築士事務所さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0程良く自然に接しないと多大な犠牲が、との寓話にも…

2023年6月22日
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少し前に観た「老人と海」が
この作品の元ネタとの記事を目にしたので
「老人…」を意識しながら鑑賞した。

原作はヘミングウェイの「老人…」の
丁度100年前に書かれたもののようだ。

最後まで敵対するしないの決定的な差異や、
「白鯨」では人間が、「老人と海」では動物が
命を落とすという違いはあるが、
共に自然への畏敬と、
人間と動物の心の交流が描かれているとの
点は共通しているように感じた。

今となっては
物足りない特撮レベルではあるが、
当時としては迫力あるスペクタルシーン
だったと思えるし、
話そのものも単純ではあるが、
緊迫感あふれる展開には
作品の世界に惹き付けられるものがあった。

それにしても、
一人だけが生き残るエンディング、
白鯨は脅威の存在ではあるが、
大自然の象徴でもあると考えると、
程良く自然と接していかないと
人類に大変な犠牲をもたらすとの寓話にも
感じる物語でもあった。

KENZO一級建築士事務所