「【米ソ冷戦時代に、キューブリックが核戦争が如何に容易に起こりうるかをシニカルブラックな視点で描いた恐ろしき映画。リアルな描写が説得力を大いに高めている作品でもある。】」博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0【米ソ冷戦時代に、キューブリックが核戦争が如何に容易に起こりうるかをシニカルブラックな視点で描いた恐ろしき映画。リアルな描写が説得力を大いに高めている作品でもある。】

2022年1月24日
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ー 時は冷戦の真っ只中。アメリカの戦略空軍基地司令官で、反共産思想に犯されたリッパー将軍が、大統領ら主要幹部に無断でソ連への水爆投下を命じる。
  だがソ連が保有する核の自爆装置は、水爆を受けると10カ月以内に世界を滅亡させると判明。
  アメリカ大統領を筆頭とした首脳陣は危機回避の努力を続けるが、一機だけがソ連領域に侵入し、水爆は投下されてしまう…。ー

・核のボタンは、アメリカ大統領にしか押す権利はないはずだが、今作ではR作戦と言う、敵に攻撃された時には、下級司令官でも核戦争が起こせることを、シニカルブラックな視点で描いている。

・ピーター・セラーズは三役(リッパー将軍付きの核戦争を止めるために奔走する英国大佐、大統領、どこかオカシイ、実は核戦争を望んでいるのではないかというドイツ人のストレンジラヴ博士)を演じているが、特に車椅子に乗っている、ドイツ人のストレンジラヴ博士の姿、発言は強烈である。
ー 核戦争が起こる前に地下に空間を作り、男1人に女性10人を宛がう・・。-

<核による人類絶滅という物騒な題材を、キューブリックが核戦争が如何に容易に起こりうるかをシニカルブラックな視点で描いた恐ろしき映画。
 地球終末時計による、地球滅亡時間が残り2分から100秒を切った現在、笑って観ることは出来ない恐ろしき作品である。>

NOBU
きりんさんのコメント
2022年3月5日

「オーケストラ!」のレビューへの“追記”。
ふつふつと沸く怒りに共感しています。

きりん