「人類滅亡のスイッチを押すのは人間かロボットか」博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか といぼさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5人類滅亡のスイッチを押すのは人間かロボットか

2020年3月12日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

語り継がれる名作として何度か名前を聞いたことがあった「博士の異常な愛情」。ようやく鑑賞できました。

核兵器という人類史上最凶最悪の発明品を巡る様々な思想が織り成すブラックコメディ。敵の攻撃に報復として放たれた核攻撃が世界を滅ぼすかもしれない。人類滅亡のスイッチを押せる人間はいるのだろうか。

日本を代表するゲーム監督である小島秀夫氏も大いに影響を受けている今作、「メタルギアソリッド ピースウォーカー」というゲームのテーマがまさに「博士の異常な愛情」で描かれていた核の抑止力なのです。ゲームにおいてとあるキャラクターは「報復として核を撃てる人間はいない」という考えの元、それを証明するために様々な作戦を実行に移します。

この映画の公開の前年には米ソが核戦争になりかけた事件「キューバ危機」があり、アメリカが核の恐怖を味わいました。その恐怖も冷めないタイミングで公開されたセンセーショナルな今作。この作品が今日まで語り継がれる名作になったのは、このタイミングの良さもあると思います。

核の恐怖の中、人々はどのように行動するのか。極限状態での人間の心理もしっかり描かれていて、尚且つ「核兵器による抑止力」に対する問題提起にもなっていて、今の時代の人間が見ても面白い作品であったと思います。

オススメです!

といぼ:レビューが長い人