劇場公開日 2006年4月8日

「通夜話だが、艶話にかけて、猥談のオンパレード」寝ずの番 mac-inさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5通夜話だが、艶話にかけて、猥談のオンパレード

2025年3月12日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

役者の津川雅彦が「マキノ雅彦」の名で初監督した作品。
(津川雅彦は、日本映画の創始者的存在の牧野省三の孫、東映で一時代を築いた名監督マキノ雅弘の甥にあたる。)

ストーリーは、噺家の師匠(長門裕之)がまず亡くなり、次に一番弟子が、そしておかみさんも立て続けに亡くなってしまう。それでそれぞれのお通夜で「寝ずの番」をする弟子や縁者たち(もと恋仇も入って)が、思い出話をしてゆき、段々興が乗ってきて‥。

面白い。

まず噺家の師匠役の長門裕之がいい。私はあまりこの人は好きではないが、今回ははまり役だった。そのほか役者連中が楽しそうに演じているのがいい。笹野高史はいう及ばず、岸部一徳が微妙な役をまたもや上手く演じている。富司純子が通夜っぽい、じゃなく艶っぽい!中井貴一はしっかりいい仕事をしています。木村佳乃は相変わらず、大根といえば大根だが、伸び伸びしていて気持ちがいい。
木下ほうかがいい。あまり全面に出てくるわけではないが、弟弟子ながら毒舌を吐く姿などキラリと光る。

これは、通夜話だが、艶話にかけて、猥談のオンパレード。仏様を前にして寝ずに番をしながら、酒も入り段々不謹慎にも興が乗ってきて艶話に花が咲くというわけだ。その話に出てくる高岡早紀の色っぽさ!

結局笑わせながら、人間賛歌になっているという構図。

ちょっとまったりしてキレはよくないが、楽しい作品。

mac-in