「音楽とシチリアの景観も素晴らしいイタリア映画の名作。」ニュー・シネマ・パラダイス 西海一久さんの映画レビュー(感想・評価)
音楽とシチリアの景観も素晴らしいイタリア映画の名作。
主人公トトと映写技士アルフレードとの友好を主体に主人公トトが初恋等の経験をしながら半生を描いた作品です。
この映画のテーマは「別れ」と思います。!
主人公トトは現在ローマで大勢した映画監督であるがそれを得る為に大事な物との別れを経験している。
それは、「初恋の人」、「友アルフレード」、「家族」、「故郷」「町の人達」「昔ながらの映画劇場」です。!
「何か得る為には何かを失う」それをエンニオマルコーネの美しい音楽と乾いた雰囲気のシチリアの景観を描いて郷愁を誘う名作です。!
(個人的には映画音楽No1)
各シーンに本当に美しいメロディが効果的に使用されています。
特に印象深い「愛のテーマ」が流れるラストシーン(カットされたラブシーンを見るトト)は本当に素晴らしく感じる。
トトの表情もいいですね。!
ただ音楽が素晴らしいだけに音楽に頼りすぎてる印象があります。
それほど人の感情は音楽による影響は大きいと思います。
「タイタニック」も本当に感情が高ぶる所にうまく使用されていると感じます。
(映像と音楽があって映画とも言えますが。!)
でも、名シーンも数多くあることも事実です。
私が印象強く残ったシーンは映画館が爆破されてしまう所で、オーナーがアップになるシーンです。
深いシワが顔にきざまれた悲しみの表情は時代の変化を感じる切ないシーンです。
これは、日本の地方映画館が消えていく状況とまったく同じと思いました。
最後にこの作品で気になるのは、アルフレードがトトに話した「衛兵と王女」の童話である。
アルフレードがトトに今のお前には恋愛が早いと言いたかったのであろうか?
この童話がトラウマとなり大人になったトトが冒頭のシーンや母との会話でも判るように恋愛が上手くいってない事がうかがえる。
なぜ後1日なのに99日目で王女の前から去るのか。?(諸説あるようだ。)
アルフレードは答えを言わないで話しは終わる。
私は王女の幸福を第一に考えた場合、自分がその相手にふさわしくないと悟とった衛兵がせめて王女の心の底に自分を印象づける為に取った行動と思える。!
(100日間バルコニーの前にいる事は可能だと言う事を示した上で。!)
もう少し具体的に言うとせめて、王女の気持ちに自分と言う存在を生涯忘れさせない為に。!
そう思うし、そう信じたい。
皆さんはどう考えます。?
せひ皆さんの考えを教えて下さい。!