「HAL怖すぎ。。。」2001年宇宙の旅 soratoさんの映画レビュー(感想・評価)
HAL怖すぎ。。。
小さい頃、うっすら見た記憶がトラウマになっていたこの作品。
なんか音楽が怖くてぞっとしていたような……でももう大学生、何も怖いものはないはず。そう思っていられたのもあの不気味なコンピュータが出てくるまでだった。
第一幕は僕たち人類の祖先たちの生活で、縄張り意識や骨角器の使用があり、うーんどこが宇宙なんだろうと感じてたら、いきなり真っ黒の四角形がボーンと出てきて終了。アーム。。
第二幕は、調査員が月に奇妙な磁場を発見し、探査するとまたあの黒いやつがドーン。うーんなんだこれ。。
そして第三幕。もうHALが怖いのなんの。あの囁くような声も全てを見ているかのような赤いランプ(実際、驚異的な観察眼として機能)も簡単に船員を殺していくことも、おそろしや。インターステラーでTARS CASEなどの素敵な思考能力をもったコンピュータを見ていたので余計に戦慄してしまう。
最終幕で一気に引き込まれた。船長が謎の部屋に入るところから、後のシャイニングでもあった「見えないところから何が出てくるのか?」というおそるおそるの好奇心を誘う絶妙なカメラワークはキューブリック監督の味だろう。最後の大きな胎児は僕には新たな星の誕生に思えた。進化の裏には必ず淘汰があり、進化の過程は輪廻する。そんな風にも感じた。
劇中に出てくる細かい機械にも驚いた。比較してばかりだがインターステラーでも重要なキーである宇宙ステーションは現在のものと寸分違わぬ見た目だった。1968年制作であるのに、この正確さ。キューブリック監督は当時NASAに30年先の技術を教えてくれとせがんだという。彼の完璧主義がよくうかがえる。
いろいろ感じるものはあったけれど、初見(幼き日を除く)で全てを理解するには刺激が強すぎた。すこし引いたとこに身を置いてもう一度見たいと思う。
最後に、HALよ、どうか誤解しないでくれ、僕は決して君の判断を疑ったりしていない。君は大事な僕のクルーだからな。