「失敗は取り返さなければならないけれど。」ナチュラル Takehiroさんの映画レビュー(感想・評価)
失敗は取り返さなければならないけれど。
スポーツ超人もので、苦難を乗り越えて前向きな気持ちは起きるかも知れないが、私の目当てとする話とは違ってはいる。しかし始めたら最後までみてみよう。私の関心の男女問題からすると、
主人公と田舎の恋人の関係はいったいどうなっているのか途中で消えてしまっているようだ。それに撃った怪しい女性とも、興味があってつられたのか。だがまさか撃ってくるとは思いはしないだろうが。ときたま報道に目をむける女性が田舎の女性なのだろうか。そしてさげまん女との肉体関係にはまり成績が落ちてしまうという。どこが良い映画なのか。田舎の女が観ににくるとスランプを脱するかと思ったら、ハニートラップが仕掛けられていたりと、乱れた話になってしまっている。田舎の女性はシングルマザーになっていた。結局は、大金や美女やスキャンダル写真の誘惑や脅しにも負けずに、撃たれた過去があっても拳銃にもひるまず、田舎の女のことも忘れずと、ダメだった男が正義の男として、命がけで重要な試合に臨む。汚い中に巻き込まれても根が純情だった天才ベースボーラーが賭ける試合が始まった。試合に出たら胃が破裂して死ぬかも知れないとさえ言われている試合に。償いや目覚めのような意味を持たせたのだろうか。アメリカの驕り。アメリカの失敗。アメリカの克服。そして離れざるを得なかった田舎の女が応援に来ると、しかも他人との子供を連れて。それを知った主人公。思いをかけていたのに離れてしまっていた女がシングルマザーになっていたとしても、気持ちは。1984年という時代。そういう男女の理由についても新しいものだったのだろうか。何もなければ、息子は生まれてなく、主人公の田舎の女に別の子供が出来ていたかも知れないというのに。主人公は田舎の女と息子のために、死ぬ気で立ち向かう。ベースボールに対する農場、農業という対比も入れているようだ。決して模範的な人生でいられず、過ちをおかしてしまったアメリカの象徴として主人公が掲げられたのだろうか。チームのボールボーイをする少年との友情も、示唆しているものがありそうだ。アメリカの最後は模範的で勝利にうなづいてしまいそうだが、主人公の腹からは血が出ていた。そしてホームラン。悪だくみをする連中は何も言えなくなってしまい、田舎の女は見守って喜んでいる。そして広大な畑の中で、田舎の女が見ている。主人公と女の息子が楽しそうにキャッチボールをする。わけありな複雑な面をみせながらも、アメリカが回帰したいことを描いたのだろう。誘惑で失敗することもあるが、改める。人生は続く。だが、それ以上に誘惑されることなく順調でも良いではないかという見方は捨てるべきではないだろう。こうした内容になるのはアメリカは複雑になっていったからであろう。そして日本はアメリカを真似している国なのだ。