「夜にしがみついて、朝で溶かして…その窓に映る景色と思い出」ナイト・オン・ザ・プラネット たいよーさんさんの映画レビュー(感想・評価)
夜にしがみついて、朝で溶かして…その窓に映る景色と思い出
松居大悟監督の最新作『ちょっと思い出しただけ』を更に楽しく観るための予習として鑑賞。初めて観る、ジム・ジャームッシュ作品。凄いオシャレなのに着飾ってない。
ジム・ジャームッシュ監督も東京を撮りたかったと言っていたらしい。そんなことを聞いたのは、東京国際映画祭で観た『ちょっと思い出しただけ』のQ&Aのとき。自分が知らなかっただけだが、見るキッカケに。クリープハイプと名付けたのもここからだとか。ある種の原点回帰を、尾崎世界観さんも松居大悟監督もしたということだ。
舞台は5つの都市のタクシー。それぞれ行われる密室での会話。何気ない会話に見えて、次第に核が浮かび上がるような感覚。会話劇としてのプラットフォームはしっかりしつつ、道路のように状況は1つとして被らない。なんというか、飾らないのにオシャレだし、その深みが分かる大人っぽさを感じる。オムニバスなので合う合わないは出てくるものの、なかなかクセも無くて楽しめた。
印象的なのはやっぱりパリかな。「パイプ」を取った部分は分からなかったけど、色や視覚が与える先入観に目を凝らす必要はない、そんな気づきが言葉のイロハに含まれていて引き込まれる。過度に色づいた様に見えても、実はソレも計算なんだろう。
そして何より、各国で扱われるカラーがまるで違うのも凄い。人の数だけドラマがあって、青春から恋、喜劇にドラマ…芳醇な映画の香り。次はどんなお酒を片手に観ようかな。
そして東京。第6の街。松居大悟監督はどう意識したのか。両者が原点回帰をした本作。1周したあとに見る景色はいかに。1度観たのに期待が膨らむ。
「ハイプ」はニューヨークのドライバーが自分の帽子の事をナウでイカしてるって意味で言ってましたよ^ ^
オッサンの帽子と一緒にすんな!って感じのシーンです。