ドゥ・ザ・ライト・シングのレビュー・感想・評価
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80年代の締め‼️
まるで発火性の強いハイオクガソリンのような映画‼️ある長く暑いブルックリンの夏の日。イタリア人が経営するピザ屋の宅配人ムーキーを主人公に、ヒップな活動家、ストリートの飲んだくれの哲学者、ピザ屋を経営するイタリア人親子、小さなスーパーを経営している韓国人のカップル、様々な人種の友人たちなどの日常を、ユーモアを交えスケッチ風に綴る‼️そこにはエネルギー、センスの良いユーモアとコメディ、リズミカルでグレイトな音楽、人種問題や政治・経済問題、そして手のつけられない激昂など、様々な要素が揃っております‼️そしてムーキーの兄弟が殺され、ムーキーがゴミ箱をピザ屋の窓に投げつけた瞬間、それらの要素が燃料となって、この映画は大爆発する‼️ホントにスゴいスパイク・リー監督のデビュー作‼️「マルコムX」や「ブラック・クランズマン」も捨てがたいですけど、やはりスパイク・リー作品ではこの作品が一番好きですね‼️
公開当時、ヒップホップにはまってまして
最初に観たのは日本公開前、マンハッタンの友達の家のビデオで。
翌日、スパイクリーが履いていたNIKEエアジョーダンⅣを買いに走ったのを今でも鮮明に覚えている。
初見は字幕無しで観たのだが、大まかなストーリーは分かったし、スパイクリーらしくスタリッシュな映像で当時ヒップホップにはまっていた私は充分満足した。
その後、日本公開されて観たかどうかは覚えて無いが、ブラックライブズマターの嵐が吹き荒れる頃、Amazonプライムで再見して、やっと微妙なニュアンスを感じとれた。
特に同じ有色人種(あるいは白人)でも、やっぱりバックグラウンド違うとか、いろいろあるんやなと公開当時の私自分の体験にも今更ながら頷ける所あって納得。
30年経っても、映画で描かれる根本的な問題はそんなに変わって無いという意味で今も見応えあり。
Love and Hate
名作!
らせん階段上から下るか下から上るか
権力と闘おう!!
"Public Enemy"の曲が耳障りでイヤになってくる。
黒人ってかS・リーが嫌いになってしまう感想が大でD・アイエロの方に共感してしまう。
最もらしくラストにキング牧師とマルコムXで話を締めているが劇中に残酷な人種差別の問題など垣間見れない勝手な考え方の黒人住民って感じ。
まず自分は冷静で正しいみたいな中心のS・リーの役にイライラして仕事も適当に妹に養って貰っている感じに家庭放棄と説得力が無いキャラで暴動の発端を作っているし理解出来ず。
店にはルールがある訳で誰の写真を飾ろうが店側の自由だしボリューム大で音楽かけたら追い払われるのは当たり前でボイコットの意味が解らない。
「ナインハーフ」ばりに氷を使ったシーンには鳥肌が立つくらいにダサくて参る。
S・リーのエゴだらけの作品って感じがしてA・パチーノを燃やすのは頂けない!!
白人と言えど憎むべきはイタリア系かよ!?
共生とは
評価5の映画史上最高傑作10選+α
"人種のるつぼ"のリアル
その年一番の猛暑の日にそれぞれの"right thing"が爆発する。
人種のるつぼアメリカ、ニューヨーク。
自らを反映したリアルさ溢れるスパイク・リーのこの作品はそれまでのアメリカ映画、人種問題の描き方に一石を投じた。
真夏のニューヨーク、今なお人種差別の残るベッド・スタイ地区には今まで何度も観てきたようなお決まりの構図は存在しない。
黒人を始め、イタリア系やプエルトリコ系、アジアにユダヤ。
ただの「白」対「黒」では解決出来ないアイデンティティーの対立がある。
そんな場所を舞台に黒人監督が描き出したのは白人にはもちろん、黒人にも同様に存在する不寛容の意識だ。
「愛」と「憎しみ」をテーマに自由の国の不自由を新鮮な視線でセンセーショナルに映し出す。
映画作りに自身を反映することほど難しく、深みのでることは無いだろう。
しかし、それが上手くいけば「ミーン・ストリート」やこの作品のような圧倒的な力強さを持つ傑作が生まれることを証明した一作。
ジェンガのように・・・
「マルコムX」などで常に刺激的な社会派作品を発表し、観客の好奇心を揺り動かす気鋭の監督、スパイク・リーが初期に手がけた傑作。
様々な人種が混合して生活し、絶妙なバランスをもって平穏を保っている一つの町。しかし、何でもない会話が、行動が、偏見がじわじわと安定した世界を揺らし、崩し、修復できない決別へと向かっていく。
開幕当初、何の脈絡の無いレストランの会話、英語の通じにくいアジア人と住民の食い違い、そして町を面白可笑しく俯瞰し、観察するラジオDJの番組などの言葉達が洪水の如く、溢れだして来る。それは、普段から交わされているはずのものであり、普段なら何の問題も無いはずだ。だが、その日のうだるような暑さの中で、会話は姿無き凶器へと姿を変え、静かに、町を侵していく。
ジェンガのように、言葉が積み重なっていく。少しずつ、少しずつ、それは斜めになり、傾き、崩れる。その緊迫した空気に、観客は物語当初に浮かべていた笑いを忘れ、崩壊までのカウントダウンにのめり込んでいく。この息苦しさであったり、興奮は、その場しのぎの会話で埋め尽くされた作劇では作り出せない。ぐらぐら、ぐらぐら・・もう、私達は目を背けることができない。
と、同時に観客は気付く。偏見は、差別は、そして衝突は、何か大きな事件であったり、きっかけが生み出すものではない。毎日のありきたりな言葉が、会話が積み重なる中で生じる小さな歪みが、作り出すのだ。「安定」という名の私達のジェンガは、いつ、どんなきっかけで崩れ去るか分からない。それは、事件か、事故か、はては、争いか。スパイク・リー監督の私達への鋭い警告は、人種問題という皮を被った、平和というぬるま湯への不信感である。
勢いのままに突き動かされた作品のように見えて、極めて確信を持って作られた端正な一品。この作品を見た者は、もう目の前の安静が不動でないことを知ってしまう。それは、慌しく揺れるジェンガのように、私達をあざ笑う。
スパイク・リー!!
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