トッツィーのレビュー・感想・評価
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女性からの視点を与えてくれる名作です
トッツィーという名前のニューハーフのショーパブが東京と大阪にある
その業界ではナンバーワンの人気店だとか
大昔だけど一度友人に連れられて行ったことも有るように思う
本作はこのように日本でもタイトルを店名につけられた店ができたほど大ヒットした
なのでトッツィーは日本ではオカマと同義となってしまい、本作自体もそのような映画ではないのかと思ってる人もいるだろう
しかし内容はもちろんそうではなく単に仕事が欲しいが為に女装した売れない役者が巻き起こすドタバタコメディ
決してLGBTを扱っているわけでは無い
とは言え単にコメディでは終わらないのだ
男性にとっては、女性から見た世間とはどのように見えるのか、感じられるものなのかという視点を与えてくれる映画なのだ
女性に取ってはその視点への共感が有るのかも知れない
それが本作を大ヒットに押し上げた理由だろう
魅力的な女性がいる
思わず声をかけ食事に誘う
男性に取ってはそれだけのことが、女性からどう見えるのか、どう感じられるものなのか、コメディとして大笑いさせられながら考えさせられるのだ
ジュリーのお父さんの求愛
病院院長役の老俳優の自宅前での待ち伏せ、部屋に居て貰うための行動、そして押し倒そうとする行為
腹を抱えて笑っていながら、過去の自分の行動を思い返して冷や汗がでた男性も多いと思う
エンドロールに流れるメインテーマはスティーブン・ビショップが歌っておりこれもまた大ヒットした
曲と演奏はデイブ・グルーシンというジャズフュージョン界では泣く子も黙る大物
ミュージシャンもそうそうたる名前が並ぶ
AORの典型として当時の時代の雰囲気を21世紀の今でもそれを甦らせる力を持っている
社会派コメディ
面白かった。
ラストの「黄色い服貸して」のセリフ。こういうセリフ痺れる。彼女ジュリーの心情を表していたし、なんといってもテレビ局前であってから道路沿いを歩きながら話す二人の芝居が最高だった。
その前のシーン、ジュリーの父に指輪を返すシーン、バーカウンターの隣に移動したマイケルに最初は気付かず笑顔を返すジュリーパパ。そこからすぐにテレビに向き直るが、、、それがマイケル(ドロシー)だということに時間をゆっくりかけ、いや三秒か五秒かそんな短い時間なのだが、、、気付くまでの顔の変化、感情の変化が見事。そこの顔芸とも言うべき演技が好きだった。
女性差別。女性の自立を扱っているが社会性を押し出した硬い作りにはなっておらず、そこかしこに笑えるセリフ、シーンが散りばめられている。
女装する男、正直あまり好きじゃありません。そういう人たちを重用して...
好き
演劇界に多くいる日陰の貧乏俳優たち
総合:70点
ストーリー: 70
キャスト: 75
演出: 70
ビジュアル: 65
音楽: 75
異性に変装する映画というと、本人はなりきったつもりでも視聴者から見ると一目でばればれのきつい外見というものが多い。その中で本作のダスティン・ホフマンは健闘したほうだろう、遠目には女性に見える。それでも喋るとどこにでもいるおかまのようになるのは致し方ないか。
かなり頑張っているとはいえあれで他人を騙しきるのはちょっとしんどいとも思うのだが、登場人物の演技力や物語の進行によって救われる。あまり女装がいいかどうかを考えなければそれなりに楽しめる。
オーディションに落ちまくる貧乏俳優たちの苦しい生活や、審査員が落第する候補者に言ういいかげんな審査基準などはいかにもありそう。演劇の世界で成功するための涙ぐましい努力や恋の行方を滑稽に描いているし、男の女性に対する態度・行動への皮肉も良いのではないか。
バランスの取れたセンス溢れる作品
「男と女」に切り込む
別にフェミニズム映画というわけではない。かといって、男至上主義の映画に落ち着いているわけでもない。
この年、ダスティン・ホフマンはアカデミー賞主演男優賞にノミネートされたのだがその時のコメントが「女になったことで女の気持ちが分かった」である。この言葉に「トッツィー」が伝えたいメッセージがこもっている。人間はまず初めに「男」と「女」の二種類がいる。これは決して差別ではない。大きくなればなるほどこの差は歴然としてくる。これは生物学上しょうがないことである。だが、それとは関係なく人は男女をそれぞれステレオタイプな型にはめがちである。要するに男と女には別々の役割があるという考えだ。
マイケル・ドーシーはドロシー・マイケルズになることでその問題に直面する。しかし彼は中身は男である。オーディションの役柄の関係上、強い女を演じることになるドロシーは私生活でも男に屈しない女を「演じる」のだ。彼(彼女?)の活躍により、私生活の上でも周りの人々はどんどん変わっていく。もちろん問題はいろいろ起きる(というより問題がいろいろ起きていくのがこの映画の面白いところなのだが)。それでもドロシーという「自分を欺かない女性」を演じ続けるマイケルには滑稽さと同時に哀愁もある。
こんなに笑ったのも久しぶりだが、こんなにしっかりとしたメッセージを持った作品もそうそう無い。人間は男と女の二分化ではないのだ。一人一人がそれぞれ存在している。そんな普段忘れがちなことを思い出させてくれる文句なしに素晴らしい映画だ。
(11年4月22日)
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