劇場公開日 1984年2月18日

「テーマ曲が良い」ときめきに死す ぷにゃぷにゃさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0テーマ曲が良い

2024年9月19日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

読んでないけど、原作が丸山健二ということで、気になっていた作品。芥川賞を最年少で受賞した、「夏の流れ」は読んだことがある。ちなみに、綿矢りさに記録は破られたが、男性に限定すれば、いまだ23歳1ヶ月での受賞は最年少をキープしている。そんな芥川賞作家である丸山センセイは、文壇には交わらず、孤高を貫く硬派である。私は硬めの小説よりも、自宅の庭に咲く花々の写真集が好きだ。薔薇や芍薬の花びらに、ちっちゃなカエルくんがもぐりこんでるのとか、めっちゃ可愛い。最近は年を取って庭仕事をセーブしてるかもしれないが、丸山センセイはまだまだ意気盛んであるようだ。

おそらく原作は、乾いた筆致の硬質な物語ではないかと想像するが、wikiによると、どうもだいぶ改変されているらしい。暗殺のターゲットは原作では政治家だが、映画は新興宗教の教祖だし、樋口可南子が演じる女は原作には登場しない。パソコンを取り入れるのも、映画独自のものだが、解析データの物語への関与がよくわからない。パソコンを操作する少年も何なのか? いろいろ思わせぶりだが、最終的にどんなテーマの作品なんだか、よくわからなかった。ただ、映画制作当時には、オウム真理教の事件や、元総理の襲撃とか、予感さえなかったはずだが、今観ると予言的だとは思う。印象に残ったのは音楽。鐘かなんかを使ったテーマ曲が、すごくきれいだった。

沢田研二はがんばっていたと思うが、もっと鍛えていた方がよかったんじゃないかな。山の中を走ったり、部屋の中のトレーニングも、動きは素早いのだが、海パンの上に腹肉が乗っかってると、やっぱり緊張感が…。人を殺そうとする、鋭い雰囲気が出ないよね…。

BS松竹東急の放送を録画で鑑賞。

ぷにゃぷにゃ