劇場公開日 1984年2月18日

「『太陽を盗んだ男』城戸誠とはまた違う寡黙で謎めいたテロリスト役も良いですね」ときめきに死す 矢萩久登さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0『太陽を盗んだ男』城戸誠とはまた違う寡黙で謎めいたテロリスト役も良いですね

2024年7月27日
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鑑賞方法:映画館

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新文芸坐さんにて特集上映「森田芳光70祭2024in新文芸坐 夏の森田」にて鑑賞。
出演は沢田研二さん, 樋口可南子さん, 杉浦直樹さん。
沢田さん扮する謎の組織の指示を受けたテロリストが宗教家暗殺に失敗するまでの過程を、杉浦さん扮する彼の世話役と樋口さん扮する謎の女性の共同生活を通じて描く異色のサスペンス。
『太陽を盗んだ男』の理科教師・城戸誠とはまた違う寡黙で謎めいたストイックなテロリスト役の本作も色気があって良かったですね。
森田監督として言えば食卓シーン。
『家族ゲーム』の横一列の食卓も印象的でしたが本作品でも食卓シーンが非常に多く食事を通じて段々と三人の距離感が縮まっていくのも上手く演出されてましたね。
独特の空気感を感じされる作品ですので、もっと再評価されてもいいですね。

上映後は塩村宰さん(音楽)、ライムスター宇多丸さん、三沢和子さん(映画プロデューサー、森田芳光監督夫人)のトークショーもあり大満足でした。

矢萩久登