劇場公開日 1984年2月18日

「終盤のクライマックスで急激に静から動に転換され、壮絶なシーンをもって観終わってみると、何だか納得感がありました」ときめきに死す あき240さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0終盤のクライマックスで急激に静から動に転換され、壮絶なシーンをもって観終わってみると、何だか納得感がありました

2020年9月15日
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鑑賞方法:DVD/BD

よくわからい映画だと思った
退屈でつまらないとも思った

ところが終盤のクライマックスで急激に静から動に転換され、壮絶なシーンをもって観終わってみると、何だか納得感がありました
普通の日本の犯罪映画が熱く怒鳴り散らしてばかりなのを否定して、フランスのフィルムノワールの風味を出そうとしたのかも知れません
だから登場人物の沸点をできるだけ下げて、映像の色温度は逆に高く寒色の色目で撮影しています
その上、ロケ地は北海道の松前町辺り、しかも晩夏に撮影して見た目でも肌寒さを出そうとした、そのような意図なのだと思います

そう考えるとお話は単純です
物語はいきなり冒頭の誰を排除すべきかというパソコン画面のとおりです

パソコンは緻密に計画されているという説明です
今あの画面を見ても古色蒼然とした表示だなあとしか思えないかも知れません
1984年当時、漢字表示できるパソコンはまだ珍しい存在だったのです
だから凄いことだったのだと思います
そのパソコンを子供が扱う
それ程にあの信仰宗教は底知れない力を持つという説明だったのだと理解しました

教祖が遊ぶピンボールは、全てはボールのようにああなってこうなると教祖の筋書き通りなのだという意味でしょう

結局、あの三人は捨て駒に過ぎなかったわけです
美しい深い森の中に木漏れ日が差し込んでいるラストシーン
これが本当の姿だよと、あなたに日の光は差し込んで届いていますか?と監督が問うていたのだと思いました

くせ者の映画です

あき240