「冗長かつ散漫」トゥルー・クライム 根岸 圭一さんの映画レビュー(感想・評価)
冗長かつ散漫
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イーストウッド監督にしては冗長かつ散漫な映画。
本筋の事件に関しては、捜査が進展しても、事件現場には目撃者2人の他に少年がいた程度の情報しか出てこないので、観ていてそもそも面白くない。そして真犯人の特定に関しては、真犯人の母親がしていたペンダントと被害者のそれとが一致しているという(しかも見ただけ)弱すぎる理由で推定されている。それで直前に迫っていた死刑執行をストップさせられる展開なんてあり得るのか。
さらに、本筋の事件に絡んでくる以外の登場人物が多過ぎて、ストーリーが散漫に感じた。主人公の家族や浮気相手、中途半端に出てくる牧師などはそもそも登場させる意味があったのか疑問がある。主人公の浮気性の設定や、今回の事件を冒頭で引き継ぐ展開にも必要性が感じられない。
ストーリーの焦点を事件に絞り、主人公はいっそのこと独身ということにして、事件そのものの題材もより複雑なものにした方が面白くなったのではないだろうか。
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