「本長尺版が製作されたのは、映画製作から10年経った1994年。 映...」デューン スーパープレミアム 砂の惑星・特別篇 りゃんひささんの映画レビュー(感想・評価)
本長尺版が製作されたのは、映画製作から10年経った1994年。 映...
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本長尺版が製作されたのは、映画製作から10年経った1994年。
映画版が137分で、本長尺版は190分。
なので、追加シーンがほとんどかと思いきや、映画版からいくつかのシーンが削られ、映画版で棄てられたシーンが追加。
削られたシーンで顕著なのは、冒頭のイルラン姫の語りで、この語りは原作小説の各節の最初に示されているもの。
これはいただけない。
かわりに静止画、絵コンテが挿入されていて、安っぽい感じが否めない。
また、過激な残酷描写の類もカットされているが、こちらは放送コードに抵触するのだろう。
ということで、デイヴィッド・リンチはこの長尺版には納得できないので、アラン・スミシー監督名義になっています。
さらに、画面サイズもクレジット部分は映画と同じくシネスコだが、本編はスタンダードサイズへのトリミング。
迫力に欠けることおびただしい。
ということで、この長尺版は「観ることで満足」という類の映画かしらん。
映画的なバランスでいうと、前半が長い。
アトレイデス家の襲撃がはじまるところまでが前半。
そのため砂の惑星アラキスの描写が少ない。
さらに、登場人物の多くが終始汗まみれで、やたらに湿度が高い。
公開当時に賛否があったラストの雨については、登場人物たちの汗が蒸結して雨になったのではないかしらん、と思うほど。
また、後半が駆け足なので、宗教と政治が結びつき、結果、砂の惑星の歴史、ひいては人類宇宙の歴史が変貌していく感が乏しくなっている。
さて、今夏、劇場公開版がリストアされてリバイバルされるので、劇場版との差異も検証したいところですね。
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