ディア・ハンターのレビュー・感想・評価
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アジア系なら、フェイクに負けるな。
最初からこの映画の主旨は知っていたので、この映画を見に行く代わりに、若松孝二監督のピンク映画を見に行った。今回は初見だが、思っていた以上にフェイクな映画で、アメリカは何一つベトナム戦争を反省していない事が理解出来た。
アジア系に対する黄禍論になる。白人と言えどもまともな人なら、アジ
ア系のベトナム人が『ロシアン・ルーレット』をやっていたなんて信じる者はいない。(勿論、ウクライナ人やロシア人だってやっていない)
あと15分だが、こんな映画で、真面目に演じている俳優と、この話を素直に信じる鑑賞者が、哀れになる。
ヘリコプターが落とされる場面はよく覚えている。
ベトナム戦争が終結したのではない。アメリカがベトナム戦争に負けて逃げたのである。
2025年で終結50年である。あと二年後、ベトナム戦争終結50年とか称して、こんな映画を日本全国のロードショー館で、上映されるのかと思うと、時間が逆行したように感じる。
北ベトナム兵がベトナムの民衆に対して、爆弾を投げ込むなんて事は、北ベトナムが南ベトナムへ攻め入っていないのでありえないし、テト攻勢のフエの虐殺であっても、解放戦線のテロであって、北ベトナム兵が手を出す事は無かった。あったとすれば、北ベトナム兵に化けたアジア系の兵隊(韓国兵?)だと思う。
現地の言葉を訳していないが、喋っている言葉はベトナム語なのか?
タイ語の様な気がする。
そもそも、訳していないって事自体アジア系に対する冒涜だ。
呆れたのを通り越して、同じアジア系として怒りを感じる。
追記
ロシアン・ルーレットなんて発想は、ロシア人だってしない。斬新な発想で反戦を語っていると言う論法が多いが
『PLAN75』と同様にこんな発想をする人達の神経をうたがう。原案、脚本、設定が破壊されている。
凄く面白かった
・ベトナム戦争で人生が狂ってしまった人たちっていう話だったので面白かったといっていい話でもないのだけど、作品は見ごたえのある作品だった。
・前半がとても楽しそうな日常生活で中盤でベトナム戦争の凄惨さ、後半でベトナム戦争を経て変化した仲間たちと日常と、180分あるとは思えないほどあっという間で見やすかった。
・前半の華やかさが凄くて、皆楽しそうで小さそうで寂しそうな町だけど羨ましく感じられた。
・中盤のベトナム戦争の人権無視のギャンブル、ロシアンルーレットがえぐくてドキドキした。それが実際に行われていたと思うのだけど、まさか闇ギャンブルにもなっていて驚いた。
・後半の各々のベトナム戦争からの帰還で皆、暗くなっていて影響力のすさまじさを描かれていて良かった。あくまで描写としてだけど。
・ディアハンターが鹿狩り?という意味なのも何だか皮肉っぽい感じがして良かった。実際のところは全く分からないけど。
・命の概念が戦争に行かなかった友人たちと大きくズレが生まれていたりして考えさせられる。
すごかった
テレビ放送で初めて見たのが高校生の時でロシアンルーレットの場面で度肝を抜かれた。その後上京して名画座で多分見て今回3回目だ。
パーティの場面がやたらと長い。鹿狩りについてはやたらと話す割りに鹿狩りのシーンはあっさりしている。
ベトナムのシーンがすごい。足もなくなっちゃうし、過酷だ。ロシアンルーレットが、一発入れてそのまま順番に引き金を引くパターンと、一発入れて毎回弾倉を回すパターンがあるのか?
メリル・ストリープが若い。
最高の映画、最高のトラウマ…再び
4Kリバイバル放映を見ました。
是非映画館で見たくて。ビデオで見ると早回ししたくなるので…
この映画は知らなかった戦争の狂気を教えてくれる。
出兵前とは何もかも人生すら大きく変わってしまった事を教えてくれる。
まずこの映画を初めて見たのはTV放送。もう30年は昔の話。
テーマ曲のカヴァティーナの悲しくも優しげな旋律が好きでした。映画より音楽からディアハンターを知りました。
TBSラジオ大沢悠里のゆうゆうワイドの女のリポートコーナーのBGMとして使われていて素敵な曲だと強く意識しました。
そして何の予備知識も何も無くいきなり映画を見ました…虎と馬が駆けっこしてました…orz
最高に凄い映画なのに最高のトラウマを植え付けられた。
なので今ここで見直さないと行けない思いに駆られ放映を待っていました。トラウマを克服する為では無くもう一回植え付ける為に。
改めて見直して色々な事が分かりました。
結婚式の教会のネギ坊主を見てロシア正教、
披露宴兼出兵への壮行会でロシア民謡やコサックダンス、製鉄所のあるこの街はロシア移民が多い土地なのだと。
そして出兵前のランチキパーティや結婚式、
披露宴のどんちゃん騒ぎなどすっかり忘れていました。それは今回見ても記憶から消えつつあります。それだけ戦争での体験内容がトラウマになりました。そんな事もあったっけな?位です。
前半あんなに時間を掛けて友人達の楽しい遊びやシカ狩り結婚式などの楽しい思い出が最早思い出せない位に遠い過去の物となってしまいます。
出兵直前の時はシカを仕留めましたが戻ってからのシカ狩りではあえて外して見逃す。これでいいんだよな、の意味が重くて…このシーンは昔から覚えています。
沈着冷静なマイクはベトナム戦争でも友人達を助け武勲も上げますが心に何とも言えない傷を負います。それでもなんとか心と身体を取り返します。そして親友ニックの恋人に心を寄せている。ニックは心を病んだまま恋人への思いと友人スティーブンの婚約者と寝て彼女を妊娠させてしまった負目から帰国を拒みサイゴンで自ら狂気に走って賭けロシアンルーレットで儲けた金を戦争で四肢を失ったスティーブンに送金しつづけた。
出兵前に生きて故郷に帰りたい、何があっても連れ帰ってくれと言うニックの思いを遂げようと再びサイゴンに探しに行くマイク。そこで見つけたニックは薬にも手を出して完全におかしくなっており自分の事も友人の事も故郷の事もほぼ忘れてしまっていた。そしてマイクが止めるのも聞かずロシアンルーレットで…
最後ニックの葬式の後いつもの飲み屋で友人が集まって朝食。彼の冥福を祈りながら終わる。
そしてカヴァティーナなが静かに流れて…
ここで涙腺が決壊した…
素晴らしい映画、素晴らしい曲、素晴らしいトラウマを残して終わった。
これが戦争の狂気だろう。いや戦争の日常かも知れない。しかも正義の無い戦争だった。
何が正義なのかは難しいが。
ベトナム戦争時代はまだ幼子だった。戦争をやっている事しか分からなかった。アメリカ人でも無かった自分には何のことか分からなかった。
勝ったのかも負けたのかも。
極限下の友情
戦争での極限状態の精神から戻ってこれなくなった友人を連れ戻すために、主人公自身も文字通り命を賭して再び極限状態に飛び込み、どうにか心を通わせようとする、、悲しく美しいクライマックス。
ベトナム入りするまでのパートが長くて若干辛かったし、その後もどこに話が向かうのか良くも悪くも読めなかったけど、最後まで見終わってみると、全体がちゃんと繋がってて、削れる部分はあまりない気もする。
なお、ベトナム戦争下ではあんな感じにロシアンルーレットが行われてたのかーと思いきや、ネット情報だとその辺は捏造という説もあり。危うく鵜呑みにするところでした。
ついに鑑賞
美しく切ないテーマ曲のカヴァティーナ、恐ろしいロシアンルーレット、名作と聞いていたが、一体どんな物語なのか、長年気にはなっていたが、ついに鑑賞。・・・しかしながら、よくよく考えると、戦争の狂気というより、ベトナムの地下賭博の狂気。マイケルがホーチミンで遂にニックを見つけた時、なぜ有り金はたいてロシアンルーレットするのか全く理解できない。友を力ずくで連れ帰ればよいものを、目の前で自死させてしまった。これを納得する人がいるだろうか。戦争とは直接関係ない気がする。
タイトルの意味はなんだろう?
この映画あたりから、戦争映画と言えばベトナム戦争が主流になってきたと思う。もちろんそれまでは第二次世界大戦の映画が中心だった。1960年代後半に、タカ派映画にグリーン・ベレーはあったが。
アメリカ本土で友達と楽しい時間を過ごした前半と、ベトナムでの壮絶な捕虜生活とその後の中盤からの対比がすごい。
ロシアンルーレットの緊迫感と銃声が、映画を見終わった後でも頭の中で響き、しばらくはトラウマとなってしまった。戦闘中に敵の弾に当たって死ぬよりも、このロシアンルーレットで死ぬ方がはるかに衝撃的だったのである。この銃声の大きな音は見ている私にとってかなり心臓にこたえた。
あと、音楽の使い方がいい。ジョン・ウィリアムスが弾くテーマ音楽のギターと、ベトナムに行く前にみんなで歌った「君の瞳に恋してる」、最後にしんみりと歌った「ガッド・ブレス・アメリカ」が印象に残った。
でも、なぜタイトルがディア・ハンターなのだろう。主人公の趣味が鹿狩りというだけでつけたのであろうか?アメリカ人にとっては何か深い意味があるのだろうか?
町、山、ベトナムの連関構造
結婚式に始まり葬式で終わる
物語の場面は、以下のように変化する。つまり、町、山、ベトナムの連関構造である。
町(結婚式)、山、ベトナム、町、山、ベトナム、町
舞台となるのはアメリカ、ペンシルバニアの田舎町。町には製鉄所があり、主人公の男たちは皆、同じ職場の仲間だ。
男たちは仕事が終われば酒場に集う。町の近くには豊かな自然があり、週末には山で狩りを楽しむ。
そして彼らはロシア系移民だ(教会のシーンが登場するがロシア正教である)。贅沢ではないが、平穏な生活がそこにはある。
しかし、時代はベトナム戦争のさなか。町の暮らし、山での狩りは穏やかだが、上に書いた展開の通り、そこに入り込むベトナム戦争がすべてを狂わせる。
町から3人の男がベトナムに赴く。うち、1人は死に、1人は両足を失う。
冒頭から映し出される田舎町での暮らし。始めは結婚式のシーンが、その準備から式後のパーティまで、たっぷりと描かれる。
主人公マイケルはベトナムから生還する。彼が戻った町は、一見、今までと変わらないように見える。しかし、狩りの名人だった彼は鹿を仕留めることが出来ない。そう、すべては無残にも変わってしまった。友は死に、葬式のシーンで本作は幕を下ろす。
本作のヒロインであるメリル・ストリープ演じるリンダが「こんな人生のはずではなかった」と語るシーンには胸が締めつけられる。
仲間の葬式の後、誰彼ともなく歌うのはGod bless America。映画の中で、出演者たちが歌うシーンとしては「ベスト・フレンズ・ウェディング」でのI say a little prayerと匹敵する名場面だと思った。
ベトナムでのシークエンスでは、激しい戦争のシーンが描かれるわけではない。しかし、戦争の狂気を存分に描いていて、そこから、声を上げて逃げ出したいと思うほどだ。
派手な表現、声高なメッセージはここにはない。しかし、内臓にずしりと来るような重いものを残す。そういう映画である。
Cavatina
或る意味、“モンド映画”の側面も織込んでいる、名画の分類に入る作品である。なにせ出演者が、ロバート・デ・ニーロ、メリル・ストリープ、クリストファー・ウォーケン等々、名優の数々が演じているのだから間違いはない。
それ以上に、自分が今作を観たいと思った最大の欲求は、主題歌である。この主題歌の曲は本当に切ない。そして綺麗なメロディラインである。この曲が流れると、瞬間に南ヨーロッパに連れて行かれる。余りにもメロディが完成されているので没頭感が半端無いのだ。
そんな完璧な曲がイントロで流れる本作では、もう一つ自分が愛してやまない『君の瞳に恋している』も挿入歌で使われる。これもまた、古き良きアメリカを表現したワクワクする曲である。
ベトナム戦争という地獄を体現した若者達が、救いを求めて行動を起こすプロットは、アメリカという大国の影を正面から捉えた内容として当然ながら思い入れを以て鑑賞できる。前半の悪ふざけが長すぎるのも、後半の狂気のゲームとの対比を強調させるための重要なファクターなのであろう。何よりもロシア系移民が、皮肉にもアメリカの為に自分を差し出す事実は、唯々悲しみを禁じ得ない。PTSDという言葉が無かった時代にこれ程の表現を演出したことも凄いと感じる。
人間は、美しい曲も書ければ、馬鹿な戦争も起こす。なんたる矛盾に満ちた生物なのだろうか・・・
怨歌としての「ゴッド・ブレス・アメリカ」
1960年代末の米国ペンシルベニア州の田舎町。
町の主力産業は鉄鋼業。
男たちの多くはそこで働いている。
そして、この町はロシアからの移民で成り立っている・・・
というところから始まる物語で、 ベトナム出征するマイケル(ロバート・デ・ニーロ)、ニック(クリストファー・ウォーケン)、スティーヴン(ジョン・サヴェージ)の三人と、町に残るスタンリー(ジョン・カザール)、ジョン(ジョージ・ズンザ)、アクセル(チャック・アスペグレン)の男三人に、ニックの恋人リンダ(メリル・ストリープ)の物語。
映画は大きく分けて3部構成。
第1部は、出征前に彼らの暮らし。
スティーヴンの結婚式とパーティを中心にして、冗長ともいえるほどゆったりした演出で魅せていく。
見せ場はふたつあり、ひとつは、結婚式からパーティで、ロシア正教会での式とダンスの喧騒。
もうひとつは、男たちの鹿狩り。
前者では、花嫁の純白のウェディングドレスに赤い葡萄酒が二滴りし、その後の悲劇を予感させ、後者では、マイケルが鹿を仕留める際は一発(ワンショット)だ、とクライマックスに繋がる台詞が登場する。
第2部は、マイケル、ニック、スティーヴンが参加したベトナム戦争。
三人は捕虜となり、ベトコンたちの余興のロシアンルーレット賭博の材料にされそうになる。
いずれも生命は助かるのだが、それぞれに傷を負う。
スティーヴンは肉体を失い、ニックは精神を失う。
マイケルは一見、何も喪っていないようにみえるが、彼がもっとも精神を失っている。
ロシアンルーレットからの脱出劇は、マイケルの冷静な判断にも見えるが、脱出方法は狂気の沙汰だった・・・
第3部は、三人の帰還後の物語。
故郷は、変わらないようにみえるが、着実に、何かに蝕まれている。
肉体を失って帰還したスティーヴンは、町から離れて退役陸軍人病院にいるが、町の者は彼のことを口端にも上げない。
帰還したマイケルは常に軍服を着ているが、それは彼にとっての鎧であり、失った精神を包み隠している。
軍服を脱ぎ、鹿狩りに出かけても、彼は以前のように撃てないし、ベトナムに残ったニックの救出にしても、またしても、常軌を逸したロシアンルーレットでの対決になってしまう。
エピローグとして、ニックの葬儀とその後のささやかな集いが描かれる。
マイケルたちが、ニックへ捧げるために歌う「ゴッド・ブレス・アメリカ」。
これは、アメリカ合衆国への怨歌であり、恨歌だ。
それも、ロシアから移民たちの子どもたちが歌うところに、監督としての痛烈な批判が込めれている。
エンドクレジットでは、主要人物たちの平和な時代の表情とともに、ウェディングパーティの一場面が映し出されるが、それがアメリカという国がベトナム戦争を通して奪っていったものだ。
第1部が冗長なほどの長さがあったのは、この意味を際立たせる意味だったのだ、と観終わって思いました。
遠いようで近いベトナム戦争
日本人にとって、ベトナム戦争について触れる機会はあまり多くないように思う。意外と近い時代に起きたことなのに、誰と誰がどんな風に戦っていたのか、イメージが今ひとつできていなかった。この作品を見て、ベトナム戦争の1つのイメージが掴めた気がする。デニーロとストリープのラブロマンスの原点も見たような気がするけど。恋愛の方が中途半端に終わって、その結末がわからないままなのはよりリアリティがあってよかった。
製鉄所のブルーカラーの雰囲気が伝わってくるところも勉強になる。
インテグリテイ
腰を据えて観て、満足感にひたれる作品。3時間は長く、没頭してあっという間にとまではいかなかったけど、飽きずに最後まで。ちなみに戦争は題材だが、ドンパチやる、戦争映画ではない。
最初の感想は、ロバート・デニーロ、メリル・ストリープ、クリストファー・ウォーケン、みんな若いなぁ。
それはさておき物語は、泥沼のベトナム戦争に従軍する直前から始まる。5人の仲間のうち3人がベトナムに行くことになり、その内の1人スティーブンの結婚式当日が丁寧に描かれる。大人になった悪ガキ5人組の友情の物語。
第二幕は、ベトナムの戦地に話が移るが、そこは狂気の世界。ただでさえ酷い日々の極めつけは、敵の捕虜になったこと。そこで強要されるロシアンルーレットで、心の弱い者から壊れていく。
マイケルが帰国した第三幕。戦争で生き残っても、壊れるものがたくさんある。帰国した主人公のマイケルが、親友のニックと果たせなかった約束。「何かあったら、必ずオレをこの故郷に連れて帰ってくれ」帰国後に、マイケルはその約束を果たすために、再度敗戦濃厚のベトナムに赴く。マイケルはニックと再会するが…。
友情と誠実さを貫くマイケルは、強い精神力でベトナム戦争を乗り越えたが、心が壊れたニックと、体も壊したスティーブ。それは残酷でしかないが、前向きに生きていくことを選ぶべきだ。でもしかし…。
帰国後の鹿狩りで、マイケルは見つめあった雄鹿の目に何を見て、その鹿を逃したのか。
この時代の背景を知らないと、?がたくさん出てくるかも知れない。若い人には、少し混乱招くかもしれないですね。そこを割り引いても一度は観たい映画です。
1発
ベトナム戦争は旧ソビエトとアメリカとの代替戦争であったわけですが、ロシア系移民が対ソビエトの兵士としてアメリカの為に傷つき死んでいくこと、代替戦争をさせられたベトナム人が傷つき死んでいくこと、一体彼らは何の為にと、戦争の不条理さを見せつけられました。
アメリカでは、戦争のPTSDで自死や精神疾患になる人、家族や他人を殺してしまう人が多く存在します。一般市民による銃の無差別殺人が後を絶ちません。この作品では、「1発」という言葉がキーワードとして使われていましたが、40年後のアメリカでは銃規制を訴える若者達がデモという行動を起こしています。それはまるで、ニックの様な戦争で死に傷ついた当時の若者達の声をも代弁している様です。
アメリカという国家をここまで血と暴力の国にしたのは、この「1発」を軽んじていたからではないのかと、1人の人間の人生を軽く考えすぎているからではないのかと、この作品を鑑賞して改めて思いました。
戦地に行く前のマイケル達の日常は、ウオッカを飲んだりフォークダンスを踊ったりと、自らのルーツと共にありました。アメリカでは、国民のルーツは多種多様です。ニックの葬儀でウオッカで乾杯しアメリカを讃える歌を歌うラストシーンは、ルーツが多様なアメリカが世界中で戦争を仕掛ける残酷さとアメリカへの大きな批判を感じずにはいられませんでした。
He was Beautiful
戦場の極限状況の中でも自分を見失わなかった男の話。
故郷にヒーローとして戻ってからも。ずっと好きだった女性に言い寄り自分のモノにする事もできたのに、彼女を愛するが故に、彼女にとっての最良を考え、ベトナムに残っているかもしれない親友=彼女の夫を探しに行く男の話。
Deer Hunterとは、戦場でも凱旋後の故郷でも、良心に従って生きた男の物語です。人は、どれだけ美しく生きられるのかを見せてくれたこの作品は、私にとって人生最高の一本。これほどに、心かきむしられた映画は、他にありません。
あまりにも有名な主題曲、John WilliamsのCavatinaには、Cleo LaineによってHe was Beautiful の歌詞が書き加えられ1976年にリリースされています。He was Beautiful は、この映画の本質を最も的確に言い表した言葉だと思う。
One shot. これは酷かった。
往々にして昔の映画は観るのがしんどいですが今作は特に酷かった!!たまに「ゴッドファーザー」のようなガチで名作もあるんですが、この「ディア・ハンター」はホント何故評価されるのか理解に苦しむレベルでした。
まぁ、映画ですし史実と違う脚色があるのは仕方ない事でしょう。それでもアメリカのプロバガンダが鼻につきます。アメリカ作品だからアメリカ寄りになるのは仕方ないにしても、嘘ばっかなのでやっぱ不快になります。本とか読まない人は勘違いするでしょ?
ロシアンルーレットのシーンはそれなりに緊迫感ありました。でも全体を通して不要なシーンが多い割りに大事な所が抜けている印象です。我慢して観たけどわざわざ観なきゃ良かったと思いました。
別にエンターテイメントを期待して観た訳でもないのですが、映画作品として純粋に面白くない。正直名作ポジになっているのが腹が立つぐらいの作品でした。これ人に勧めちゃダメだよ、人として。
いや〜ヘビーだなぁ!
およそ30年ぶりに観た。
以前は「ベトナム反戦青春映画」程度の認識だったが、久しぶりに観たら、その内容の濃さ、ヘビーさに打ちのめされた。
戦争によってボロボロになりそうな人間の尊厳、良心、愛、友情、正義、希望、、、 我々はどこに救いを求めれば良いのか?
アメリカのロシア移民の若者が、ベトナム戦争に駆り出され、祖国であるロシア側の北ベトナム兵の捕虜となり、ロシアンルーレットで命を弄ばれるという不条理。この醜い現実を受け入れざるを得ない状況を壮絶に描いている。
同じベトナムトラウマ映画であるオリバーストーンの「天と地」(1993)に比べれば、ベトナム兵の残虐さが一方的に強調されている感は否めないものの、当作品がベトナム戦争終結のわずか3年後に作成された事を考えれば、アメリカの言論、思想、表現の自由を評価したい。
ラストシーンでの空虚な「アメリカ賛歌」の合唱にも、監督の痛烈な国家権力批判を感じる。
若かれしメリル・ストリープが、真っ暗な作品の「癒し」となっている。
「ミシシッピーバーニング」と共に、最近、観直してみたくなった作品だ。
ロシアン・ルーレット
総合85点 ( ストーリー:75点|キャスト:90点|演出:85点|ビジュアル:75点|音楽:85点 )
マイケル・チミノ監督の人を強く儚く描いた演出と、クリストファー・ウォーケンの美貌と作品中の狂気がかった変貌ぶりの強い印象により、個人的にこの2人の存在を意識した最初の作品。また映画の持つ人の心に訴える深みを感じ、私を映画好きにした作品の1つでもある。
ソ連系移民がベトナム戦争に参加して、戦争の犠牲となって狂気にとりつかれ人生を狂わせていく。わずかな間に大きな経験をしたマイケルが、故郷の山中で鹿を追いながらもその雄雄しさに思わず射撃をせずに逃がしてやる。その対比が哀しくも美しい。
そして最後にニックのために集まるみんなの心に残る寂寥感が余韻を残して締めくくられる。傷つき家族を亡くし、ほんの短い間に何もかも大きく変わってしまった。それ以前の大きな衝撃的な出来事との対比もあって、その寂しさがしんみりと伝わってきた結末に浸る。寂しく美しく奏でられるギターの名曲ガバティナがまた雰囲気にとてもよく合っている。
北ベトナム軍がロシアン・ルーレットをやったのかというのは作品の良さとは別問題で、本当は恐らくやってはいない。だがそれはここでは映画としての脚色として重要な役割を演じる。ニックが一体ベトナムで何をやっていてどうして長い間生き残れたのか、よくわからないし物語としては不満はある。でも心情を静かに揺さぶるいい作品だった。
観て良かった。
色々な感情が沸き起こりすぎて見た後でベトナムについて調べてしまった。
夜観るのはオススメしません。笑
さて、長い映画です。ベトナム戦争の時代のアメリカが舞台。
これからご覧になる人もいらっしゃると思うし、私の中で事実が何なのかを受け止めきれてないため感想はアッサリになってしまうけれど、戦争は人を変えてしまうと改めて実感。
ディアハンター…鹿狩りのシーンは素晴らしかった。
美しい雄大な自然と立派な鹿と人間。
そのシーンと戦争シーンは対比と投影を映していると私は感じた。
私の好きなメリルストリープ。とても美しかったです。
この映画でニックを演じた役者さんを初めて知りました。
素晴らしかった。やはり仲間は良いですね。
マイケルがニックを迎えに行った時、愛してると言ったあのシーンも忘れがたい。愛してるとは、あぁ言うときに使う言葉だと改めて私は感じました。仲間を愛する人で在りたいと思いました。
すみません。やはり感想が纏まってませんね…
180分超えの長尺がちゃんと生かされる形で、序盤は結婚パーティーの...
180分超えの長尺がちゃんと生かされる形で、序盤は結婚パーティーの平和ボケした陽気な雰囲気だったが一転して戦場では壮絶さを強調されるなど、場面ごとにうまく使い分けがされていた。
主要キャストが素晴らしかった。デ・ニーロもウォーケンもジョン・カザールもメリル・ストリープもよかった。カザールがこの映画を最後に亡くなったのは残念だ。
狩りのシーンが2回でてくるのが特徴的な映画だが、最近上映されたファーナスを連想した。
序盤からは予想できない重い映画だが、特に日本人は序盤の世界しか見れない世界にいるんじゃないかなと思った。
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