「タイトルの意味はなんだろう?」ディア・ハンター ジョニーデブさんの映画レビュー(感想・評価)
タイトルの意味はなんだろう?
この映画あたりから、戦争映画と言えばベトナム戦争が主流になってきたと思う。もちろんそれまでは第二次世界大戦の映画が中心だった。1960年代後半に、タカ派映画にグリーン・ベレーはあったが。
アメリカ本土で友達と楽しい時間を過ごした前半と、ベトナムでの壮絶な捕虜生活とその後の中盤からの対比がすごい。
ロシアンルーレットの緊迫感と銃声が、映画を見終わった後でも頭の中で響き、しばらくはトラウマとなってしまった。戦闘中に敵の弾に当たって死ぬよりも、このロシアンルーレットで死ぬ方がはるかに衝撃的だったのである。この銃声の大きな音は見ている私にとってかなり心臓にこたえた。
あと、音楽の使い方がいい。ジョン・ウィリアムスが弾くテーマ音楽のギターと、ベトナムに行く前にみんなで歌った「君の瞳に恋してる」、最後にしんみりと歌った「ガッド・ブレス・アメリカ」が印象に残った。
でも、なぜタイトルがディア・ハンターなのだろう。主人公の趣味が鹿狩りというだけでつけたのであろうか?アメリカ人にとっては何か深い意味があるのだろうか?
度々すいません・・・。
”ロシアンルーレットの緊迫感と銃声が、映画を見終わった後でも頭の中で響き、しばらくはトラウマとなってしまった”
私は、年代的に今作は自宅で数回見ただけですが、ロシアンルーレット
のシーンは幼き頃は、怖くて正視出来ませんでした。
端正な顔立ちのクリストファー・ウォーケンが、狂気に侵されて行く姿。
私は、今作のタイトルは好きでして、ベトナム戦争に行く前の”平和な田舎町”の若者たちの愉しみだった”鹿狩り”に対する姿勢が、戦後、”鹿の命を奪う事”を敢えて止める事で、”親友を返してくれ!”と、ロシア正教の神に問いかけるロバート・デ・ニーロの姿が強烈に印象に残った重厚な映画だと思っています。