「大人になって分かる映画」ディア・ハンター ミッチさんの映画レビュー(感想・評価)
大人になって分かる映画
昔この映画は土曜日のTV、ゴールデン洋画劇場でよく放送されていた。当時子供だった私にはあまりに長く凡長で、途中で何度も挫折し結局内容は途切れ途切れ。良かったのか悪かったのか曖昧なままオッサンになってしまった。
久しぶりにAmazon primeにて観賞し、この映画の凄さにようやく触れることが出来た。
前半の長い結婚式のシーンも、ベトナム戦争以降の苦悩のシーンも全てが必要不可欠でひとつも無駄がないのが分かった。
ラストで皆が歌を唄い、ニックに乾杯するシーンで画面は止まりエンディングへ以降した所は絶妙で、それまでの全てが頭をよぎり涙が溢れました。
何より凄いのは俳優達がそれぞれの役柄になりきっていて、物語を紡いでいることだろう。それは監督とカメラマンやスタッフの素晴らしい仕事あってのことだが、デ・ニーロではなくマイケル、ウォーケンではなくニック、ストリープではなくリンダ、他の脇役達も皆役柄そのもので実在しているかのよう。
やっとこの映画が分かるようになって、年取るのも満更悪くないよね。
しかしベトナムでもイラクなど中東でも、アメリカは一部の人間の為に軍事需要で儲けるために自国民(若者)を犠牲にするのはこれからも続くのだろうか。そして若者は戦争に行くのだろうか。
命を落とし、傷つき、心を病み、本人も家族も苦しんでも、それでもなお戦争をするのだろうか。
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