「いや〜ヘビーだなぁ!」ディア・ハンター 映画鰻さんの映画レビュー(感想・評価)
いや〜ヘビーだなぁ!
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およそ30年ぶりに観た。
以前は「ベトナム反戦青春映画」程度の認識だったが、久しぶりに観たら、その内容の濃さ、ヘビーさに打ちのめされた。
戦争によってボロボロになりそうな人間の尊厳、良心、愛、友情、正義、希望、、、 我々はどこに救いを求めれば良いのか?
アメリカのロシア移民の若者が、ベトナム戦争に駆り出され、祖国であるロシア側の北ベトナム兵の捕虜となり、ロシアンルーレットで命を弄ばれるという不条理。この醜い現実を受け入れざるを得ない状況を壮絶に描いている。
同じベトナムトラウマ映画であるオリバーストーンの「天と地」(1993)に比べれば、ベトナム兵の残虐さが一方的に強調されている感は否めないものの、当作品がベトナム戦争終結のわずか3年後に作成された事を考えれば、アメリカの言論、思想、表現の自由を評価したい。
ラストシーンでの空虚な「アメリカ賛歌」の合唱にも、監督の痛烈な国家権力批判を感じる。
若かれしメリル・ストリープが、真っ暗な作品の「癒し」となっている。
「ミシシッピーバーニング」と共に、最近、観直してみたくなった作品だ。
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