「こんな傑作観たことない」天国と地獄 ぶっちさんの映画レビュー(感想・評価)
こんな傑作観たことない
映画は社内クーデターの会議から始まる。企業ドラマだ。
主人公の息子が誘拐される。誘拐ドラマになった。
刑事がやってくる。犯人から電話がかかる。サスペンスの始まりだ。
被害者の苦悩。重厚な人間ドラマが展開する。
犯人と警察。息の詰まりそうな頭脳戦が続く。
犯人の裏の裏をかこうとする警察の必死さ。
上流階級に対する下流からの反発と憎悪。
どこからも眺め上げてしまう超豪華な邸宅。
エトセトラ、エトセトラ。
後に大物となる俳優たち。当時すでに大物だった名優たち。驚くことに、出演者全員が全員、芝居がかすこぶるうまい。
有名な桃色の煙。湾岸署の青島刑事は後年、現場でこれを見て「天国と地獄だ」と呟いたが、私はこのシーンで逆に「踊る大捜査線だ」と独り悦に入った。
エンタテインメントの要素をこれでもか、これでもかと詰め込み、後の映画に多くのモデルを供与した名作は、現実の事件の犯人にも影響を与えた問題作となる。
時間も内容も圧倒的な映画だ。
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