「誘拐事件の現金受け渡しと犯人を追い詰めるスリルある展開。」天国と地獄 林檎さんの映画レビュー(感想・評価)
誘拐事件の現金受け渡しと犯人を追い詰めるスリルある展開。
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単純に面白かった。143分もあるが、その長さを感じさせない。大きく二部構成になっており、一部は誘拐からの身代金の受け渡しでの犯人との攻防をスピード感たっぷりに描く。まず、会社を乗っ取るために必要なお金を身代金として渡さなくてはならなくなる権藤(三船敏郎)と運転手青木とのやり取りが面白すぎる。権藤の右腕として長年働いてきた者の裏切りなど、ただの誘拐事件だけではなく、そこに関わる人物達のそれぞれの状況がそのキャラクターも相まって、話を飽きさせなくしている。
そうとにかく飽きないのだ。脚本が秀逸。次から次へと起こる出来事に登場人物達がそれぞれの思惑で動く姿が実に面白い。
白黒映画だが1シーンだけ色がついている演出があるのだが、当時どのようにやったのだろう。知りたいところ。
惜しいなと思ってしまったところは犯人の動機。もっと深い怨恨みたいなのを想像していたため、ただの嫉妬だったのか、、、とガクッとなってしまった。ま、人を恨む動機なんて人それぞれだから良いのだけど、その動機が薄いためか地獄のインパクトが減ってしまったかなと言った感じ。
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