テレフォンのレビュー・感想・評価
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脚本は粗いがそこそこ楽しめた
総合70点 ( ストーリー:60点|キャスト:70点|演出:70点|ビジュアル:65点|音楽:65点 )
薬物催眠を仕込んでおけば何年たっていても人が予定通りに命懸けで動き出すという随分と眉唾物の前提があり、設定としては面白いが非現実的ではある。そして核戦争を防ぐために送り込まれたKGBの工作員はたった1人だし、標的のダルチムスキーをどうやって探すのかも事件の現場に行くだけというお粗末さ。
そもそもダルチムスキーは電話で命令を出しているのだから現場に必ずしもいる必要は無くて、はるか離れたところから電話をしているのかもしれないという可能性は考えなかったのだろうか。映画の題名だって『テレフォン』だし、実際、彼は最後にはテキサスから片っ端から長距離電話をしようとしたのだから、もし彼が破壊工作の現場を常に直接見ようという野次馬根性溢れる性格をしていなかったら、最初から彼を発見すら出来ていなかった可能性が高い。そうなっていたらかなり間抜けな任務の失敗で話が終わっていた。
結末もブロンソン演じるボルゾフ少佐は母国ソ連からも米国からもお尋ね者となってしまい、作品中ではまるで幸せなようだが、金も大してなさそうなのにどうやって今後生活するのかと心配になった。ブロンソンは諜報員が1番上手くやれるからその職についていると言ったが、きっと新しい職を見つけて2人で上手くやっていってくれるのだろう。
そんな脚本の粗さはあるものの、作品は楽しめた。やたらとボルゾフを質問攻めしてきて情報を引き出そうとする怪しい工作員バーバラは、いったい何者で今後どうなるのか。簡単に人を殺す作品が多い中で、たった1人の瀕死の意識不明重傷入院患者を殺すにも罪悪感と緊張感があったのも良かった。CIAが有能な女性分析官と共に動いているのはどう関わってくるのかと思ったら、その関わりかたが良かった。基地の爆破に回転翼機を撃墜して結構金がかかっていた。無口のブロンソンは女には甘いが渋さは相変わらず。
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