「最高最高最高」椿三十郎(1962) えらさんの映画レビュー(感想・評価)
最高最高最高
黒澤明を見るにあたって、とりあえず知ってるところからいくかと軽い気持ちで手に取った椿三十郎が生涯ベスト級の一本になるとは…。とにかく90分ちょっとのあらゆるシーンに無駄がなく全くもって退屈する場面がない。とにかくテンポが良くて尺が短いのが良い。レンタルして1週間で3回見てしまった。手軽にストレスなくパッと楽しめる。映画に限らずエンターテイメントとして最高。
三船敏郎の粋なセリフ回しがまず良い。これだけで苦もなく見続けられる。古臭さはなく、今見ると寧ろ新鮮さすら感じられる。三船敏郎が本当にかっこよくてマネしたくなる笑正直七人の侍の時はそこまでハマらなかったけど、その約10年後の今作の三船は「えっ?!」てぐらい素晴らしい。ふっと挟み込まれる笑いのシーンの緩急も見事。話の腰を折らない配慮がなされ、エンターテイメント性を高める事に成功している。特に襖侍は最高だしら最早萌えキャラ。若き日の加山雄三と田中邦衛も見所。仲代達矢も三船にはないスマートなかっこよさがある。
僕は織田裕二のリメイク版を見てないけど、あっちはこのオリジナルから脚本をまったくいじっていないらしいです。だったらオリジナル見ろよというのが正直な思い。これ先に見ちゃうと本当にリメイク版を見る意味がわからないぐらい最高。白黒だからって理由で避けてると本当に勿体無い。往年の名作って皆が褒めてるからってまあこんなもんかってちょっと甘めに見ちゃうことが多いんですけど、この椿三十郎は今の映画と比べても掛け値なしにめちゃくちゃ面白い。
ただ1つ難点はセリフが聞き取りづらいことですねー…特に冒頭の9人の会話とか。字幕を表示してご覧になることをお勧めします。
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