劇場公開日 1981年1月

「重要なこと程、シンプルなのかも」チャンス kakerikoさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0重要なこと程、シンプルなのかも

2014年10月6日
iPhoneアプリから投稿

笑える

楽しい

知的

チャンスをみているとそんなことにたどり着きました。
良いように良いように勘違いの連鎖は、主人公チャンスを始点にみなもの輪が広がっていくように、彼と接した周りの人が幸せな心持になっていく。無欲で微笑みを浮かべ、背筋を伸ばしてゆったり歩けば、運は自分の方へやって来て、神様が粋な計らいをしてくれる。そんなことを思わせてくれた作品でした。
淡々と流れていくストーリーであって、二つの側面をもつ魅力。社会風刺を効かせたようなコメディ色を存分に利かせているのかと思いきや、最期のシーンを観た途端、彼の存在自体がどこか高尚に感じられ、もっと奥深い哲学的な意味を見出したくもなったりした。

大変面白い作品でした。名シーンも多く、映像も綺麗。音楽も良い。何よりもピーター・セラーズの醸し出す庭師チャンスの人物像が良い。さらに特典映像のもう一つのエンディングも必見です。

sonje