「すき すき 大すき」スカイ・クロラ The Sky Crawlers asade345さんの映画レビュー(感想・評価)
すき すき 大すき
突然レビューしたくなったので書きます。
私はこの映画でスカイクロラシリーズが好きになりましたが、原作小説は1行も読んだことがありません、そして現在の私は小説を読める精神状況にありません。でも書きたいので書きます
詳しい設定はウィキペディアを参考にして書いています。間違い多々あります。妄想沢山入ってます。ごめんね
とても長い乱文です。ごめんなさい
物語は、ある飛行場に新しいパイロットが着任することでスタートされる。
だが、映画のスタート「掴み」は余りにも劇的な、3vs1(うろ覚えw)凄まじい空中戦から始まるのだ。
三人はプッシャ型の戦闘機を駆り、一人は、トラクタ型の戦闘機を駆っての、激烈な空中戦。
3vs1、この文だけで想像すると、余りにも一方的である戦闘結果が想起されるが、その三人はあっけなく叩き落される。(一機は退避したっけ?うろおぼえw)
僕はこのシーンが好き過ぎて何回も見直してる。(昨日も見た)
「警戒!上方に敵機!退避せよ!」
エンジンの爆音。
雲が晴れて、飛行機が飛行機に向かって攻撃する 空中戦が始まる。
僕は、このセリフを敵機に追われ始めている友軍機に対していち早く気づいた味方が、必死に警告している。と解釈している。(空中戦とは、大抵目にも止まらぬ速さで展開されるので、ホントは何が何だか分からないし、このシーンは空中戦の最後の最後を描いているのかもしれない)
追いかけられている飛行機の翼の両端から白い線が出る。失速の兆候である。このパイロットは判断ミスしている。
失速によって空中に固定されてしまった飛行機が滅多打ちされて穴だらけになる。もう駄目。
「コントロール出来ない。脱出する。」
搭乗者が脱出して、パラシュート降下を開始したと思ったら、戻って来た敵機がその搭乗者を蜂の巣にする。
その後、敵機がもう一機の後ろに着く。仲間が駆けつける。敵機を挟んだ。「ティーチャを撃墜する。」射撃する。敵機は難なく回避して、急減速して後ろに着いてくる。敵の動きが余りにも速すぎる。反応出来ない。撃墜される。「NOOOOO」
最後の一機は見逃される。空中戦は終わった。
カメラはその敵機が降下していくのを舐め回す様に映す。
銀色の機体がキラキラしている。独特のエンジン音が耳にこびりつく。
その後音楽が始まって、物語が本格的に始動する。
何どもこのシーンを見ているうちに、私はこの空中戦の展開に強烈な違和感を感じ始めた。
第1にこの「ティーチャ」は圧倒的劣勢の空中戦を楽しんでいる様に見えた。
最初の飛行機は、おそらく「一撃離脱戦法」で撃墜されている。(正確に言うと全く違うかもしれない。まだまだ不完全な私の知識による、個人的分析です。)
一撃離脱戦法とは、噛み砕いて言うと、「U」の字の様な感じだ。「U」の底に居る敵機に対して、自分が「U」の字を描いて攻撃する。
タイミングを見計らい、一気に降下して、一瞬射撃して、すぐさま上昇。
こうすることで、敵の対応する隙を与えず、かつ、攻撃に失敗したとしても、攻撃した自分の機体は、降下したエネルギーで速度が乗っていて、下にいた敵機は、原則的に追いつけない。(離脱していく敵機に無理に追いつくこうとして、着いていくと、間違いなく敵機より素早く失速する。)
先の文で、私はこのパイロットは判断ミスをした。と書いた。
敵機は上から降ってきた!と味方が突然言い出す。その通信のコンマ数秒後に、敵が後ろに突如として現れる。反射的に操縦桿を引いて、上昇してしまい、失速し、落とされる。
一撃離脱戦法から逃げるには、自分も一緒に降下するしか方法が無い。左右に旋回すると機体からエネルギーが奪われてしまい速度が落ちる。上昇などもってのほか。速度が落ちた飛行機は、空中で自分の意思で動かせなくなる。失速して空中に「固定」されてしまう。
圧倒的な速度差があると、失速した機体はそれを撃つ機体から見ると、「止まっている様に」見える。簡単に弾を注ぎ込める。
彼は究極の判断に何故失敗したのか?
答えは余りにも簡単である。「不意打ち」と「恐怖」による思考停止。
2つの飛行機を瞬く間に撃墜した敵機は「ティーチャ」と固有名詞で呼ばれている。これは機体のコードネームでは無い。劇中で何回も再登場する正体不明の謎の存在。
黒いチーターの絵が機種に描かれているこの飛行機の名前は「スカイリィJ2」である。
この映画世界の典型的飛行機は、プロペラが後ろに着いている、プッシャ型。
この型式の航空機は、我々の現実世界では余り一般的では無い。映画を観た時「変な飛行機」と思った人が沢山いるでしょう。
プッシャ型が沢山出て来るのは、多分監督の性癖だからだと思う。(私は確信している)
言いたい事は、要するに、「ティーチャ」の「スカイリィJ2」はこの世界で「浮いている」そして、それに空中戦を挑む者は、この「ティーチャ」にとてつもない恐怖の感情を抱いている。と言う事
何故「怖い」のか?
空中戦シーンに戻る。
最初に撃ち落とされた飛行機から、搭乗員が脱出する。それが一瞬で血煙になる。
このシーンはあり得ない!
一撃離脱戦法の解説で書いた通り、攻撃を終えた飛行機は急速に敵機から遠ざからなければならない。このシーンの場合は、敵機が複数なので、尚更この流れを意識しなければならない。
敵機はまだ2機残っている。何をしてくるか分からない。
それから、敵機の後ろを犬の様に追いかける「ドッグファイト」に移行するなどもってのほか。厳禁である。でも、「ティーチャー」は、その空中戦に於ける、「禁忌」をやすやすと破っている。
その後、彼はわざと敵機に「挟まれる」
現実のパイロットだったら絶対しない行為。
余りにも「ティーチャ」の思考は挑戦的、というか「意味不明」だ。
撃ち落とした敵機のパイロットを、わざわざ戻ってきて、残酷に射殺する。この行為は現実だと、交戦法規でしてはならない事になっている。
私はこれを見て、自分が遊んでいる、対人の対戦ゲームで時折出くわすある事象を思い出した。
私が壁に隠れているのに、敵の弾が当たって、死ぬ。不自然に思った私は、キルカメラを見る。
私を殺した敵は不自然な動きをして私を殺している。これを見て、「私は「チーター」に殺された。」と確信する。
「チーター」とはゲームでズルをする人である。簡単に言うと、サッカーで、ゴールキーパーでもないのに、自分だけ手を使ってプレイする感じだ。
この行為をするものが居ると、どんなゲームでも「つまらなくなる」。真剣勝負では無いから。私はゲームをやめて別の事をしだす。
この例え話しは正確ではない。
私がしていたのは「遊び」だ、不快だったらすぐゲームを消せる。
でも劇中の三人は違う。
あのシーンでは、私が全く想像出来ない、途轍も無い恐怖が三人を襲っている。
空中戦は身体に凄い負荷が掛る。
ジェットコースターを操縦してる感じだ。
機体を自分が行きたい方向に向けると、自分の身体に強烈な「G」が掛る。
ジェットコースターに乗った時とは比べものにならない変な感覚の、凄まじい正体不明の力が体に掛る。
息が苦しくなってくる。はぁはぁ。
逃げても逃げても逃げられない!殺される!
「G」で身体の血液が掻き回される!
意識が遠のく。自分が何をしているのか一瞬わからなくなる。
サバンナの荒野で、必死に走って逃げる!チーターが全速力で襲いかかってくる!
設定によると、確か、ティーチャーは、「大人」で、そのティーチャーに叩き落された飛行機のパイロットはキルドレ「子供」だ。(ホントに合ってんのか?w)
要は、彼らは「チート」を使っている大人のゲーマーに「弄ばれた」。
彼らは「ティーチャー」に絶対勝てない。
彼らは「永遠の子供」。
それを「ティーチャ」が「遊び」で叩き落す。
ティーチャは自分の力に溺れている。彼は大きい「子供」だ。
この映画の最後に、主人公は「ティーチャ」を撃墜しようとして、返り討ちに合う。
映画最初の空中戦で「ティーチャ」がキルドレに対して行なった最低最悪な「チート行為」
主人公はそれよりも酷い状況に晒される。
徹底的に弄ばれ、最後は現実的でない動きをする「ティーチャ」の猛射によって、彼の機体は粉砕される。
恐らく「ティーチャ」は「キルドレ」の考える事が全て分かるのだろう。
自分も子供だから。
追記と妄想。(長いよ)
スカイ・クロラ←日本訳:空を這うものたち(合ってんのか?w)
ティーチャ(チーター)←「地上最速」の動物
必死に空を「這う」者たちを、「チーター」は容赦なく狩る。
スカイリィJ2って目茶苦茶カッコイイよね。
昔日本には「J2M」という飛行機が合ったんだよ。
このJ2Mというのは日本海軍が定めた管理番号で、真名を「雷電」と言う。三菱製。
500機位しか生産されてないし、不具合も多かった。
でも、日本に爆弾を運んできたボーイングB29の乗組員はこの機体を「JACK」と呼んで、とっても怖がっていた。
この「雷電」は長い間飛べないけど、当時の日本戦闘機で一番の上昇力を発揮出来たんだ。
武装も強力だった。
でも生産量がとても少ないから実際に「雷電」と闘った者は少ないと思う。(零戦なんて一万機も作られてる。こっちの方が良く目にしただろう)
「スカイリィJ2」とは全然違う、ずんぐりむっくりな形の「J2M」が、自分のB29の上に居る事に気付いた搭乗員は、こう叫ぶ。
「警戒!上方に敵機!退避せよ!」
この映画は細かすぎる。最高の映画。
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ティーチャがパイロットを殺害する行動は、自分も気になりました。
ティーチャって確か敵国に亡命したキルドレだったと記憶してるんですが、原作にそんなシーンあったっけ。