「監督さんよォ ※大したネタバレはなし」ファンタスティック・フォー 銀河の危機 alalaさんの映画レビュー(感想・評価)
監督さんよォ ※大したネタバレはなし
監督にメンチ切りたくなる映画。
前作よりだいぶ雑になりましたねえ。色んな国を飛び回るし宇宙にも行っちゃうし、細かいことはウルセェ黙ってろとでも言いたげな出来。
当時「美人女優」として演技力は期待されず、実力が伴わないうちに突如有名になってしまい、必死に演技を頑張っていたジェシカ・アルバに対し、本シリーズの監督は「お前は見た目が良いから雇っただけなんだから、演技なんかしようとしなくていい。泣こうとするな。涙なんかCGで付け足せばいいんだから」と言い放ったクソ野郎とのことで、もう何かその時点で高評価なんかつけたくないんですが、Wiki見たらそもそもその後あんま活躍してないみたいですね。
俳優に向かって「演技なんかしなくていい」って、俳優のやる気を著しく削ぐ暴言だし、俳優が演技でやろうとしてるのを止めて「CGで足しときゃ良いよ」なんて言っちゃう監督じゃ、大した作品作れなかったんだろうなあ(ここぞとばかり悪口)。
とはいえ、『ファンタスティック・フォー』といえば当時「アメコミ?何それ?」レベルだった日本でもそこそこ有名になった映画でして、自分も何となく「岩のおじさん可哀想だなぁ」くらいの印象には残ってました。が、世間では『ファンタスティック・フォー』といえばジョニー・ストーム(イケメン)!だったそうで、この役によってジョニー役のクリス・エヴァンスは知名度を急激に上げた…とのこと。
その影響か、続編の今作では4人の中でもジョニーがメインキャラというか、もはやほとんどジョニーの成長物語になっています。
が、正直言ってこのジョニー・ストームというキャラ(とリーダーのゴム人間)、当時からまーーーーーーったく記憶に残っておらず、「ファンタスティック4」ってくらいだから4人いたはずだよな、消える女の人と岩のおじさんと…え、ダレ…?でした。敵キャラすら記憶になし。ジョニーの何がそんなに人気を博したのか…
一緒に見たはずの家族に訊いたら「あぁ、あの皆にいちいち反抗してたヤツ?いたいた。え、覚えてないの?」と言われました。どうやら家族は記憶から抹消されるほどではなかった模様。
映画のジョニーの設定、もう20歳超えてたはずなんですが、確かに何かというと反抗し、逆ギレし、気に入らないことがあるとすぐ飛び出していくただの思春期のガキなんですよね。…と、見返して記憶に(悪い方に)刻まれました。
そんなジョニーは作中でもモテモテモテ男なんですが、現実世界でも大人気だったとのこと。…世の女性はやっぱこういうチャラくさい男が好きなんですか…?別に女性人気だけじゃないのかもしれませんが…キャラが立ってるというのが大事なのかな、やっぱり。
…一番キャラ立ちしてたのは岩のおじさんだろ(小声)。
とにもかくにも、姉のスーとリーダーのリードが結婚することになり、イチャラブこいてるのを見たジョニー、(20代にして)ようやく大人の階段をのぼり始め、「俺はもう大人なんだ!」「俺の人生こんなんで良いのか?」と考え始めます。かなり遅い気付きですが、下半身に脳みそを明け渡したまま青春を走り抜けたタイプのようなので仕方ありません。
で、何やかんやあって大事な姉に何かあっても傍に駆け寄ることも許されなくなり、反抗ばかりしてめんどくせぇ奴だったジョニーは、ようやく普段から人ときちんと向き合うことを考えるようになります。
バトルはシルバーサーファーと呼ばれるダッセェ銀色全身タイツさんが空中サーフィンしながら地球を滅ぼそうとしてくるので、それを撃退しようとするも、真の敵は別にいましたっていうありがちなオチ。
というかシルバーサーファーが割とすぐ悪い奴じゃないとわかるので、オチもクソもない。
なので、バトルシーンはどちらかというとオマケなのかも。
一応アクション映画のカテゴライズだからとりあえずバトルやって体裁整えてるものの、スー役のジェシカ・アルバとジョニー役のクリス・エヴァンスで客を釣って、とりあえずその2人の裸(?)を出しときゃ高評価だろ!みたいなゲス監督の思考が透けて見えるようです(ここぞとばかり悪口)。
俳優の演技、撮り方、映像、どれを取っても微妙で、ラストで日本らしき場所が出てくるんですが、これもテキトーな作り。どこだよそれ?そもそも本当に日本かそれ?
昔のアメリカ映画は、今よりずっとアジア圏の見分けのついてないアメリカ人がテキトーに「日本のイメージ」で作ってたので、酷い出来なのはわかりますが…うーん、それにしても雑。ほんと、どこを取っても「雑」という言葉がふさわしい作品です。
監督の暴言のせいなのか何なのか、俳優の演技ももう、完全に「演技です!」「セリフ喋ってます!」という感じのシーンも多々あり、あまり乗り気でないのが窺えます。何だかなー。あんな暴言吐いといて、イベントではシレ~ッとジェシカ・アルバの腰抱いてやがるんだからまったくこのクズ監督の神経がわからん(ここぞとばかり悪口)。
唯一ストーリー(というか設定というか話の枠組みだけというか…)はまあまあ面白くて、これは前作も同じなんですが、監督が違っていればもっと良い作品になったのではないかなぁと。
とはいえ、リブート版『ファンタスティック・フォー』が2015年に出ていますが、こちらも監督と脚本家が険悪で、まさかの脚本が完成しないままに撮影を始めちゃった作品。
更に、「リブート版なので思い切ってスー&ジョニー姉弟に黒人を起用したい」と申し出た監督はスタジオから猛反対を受け、無理やりスー役を白人にされた挙句、ジョニー役だけでもと黒人俳優を起用したら、殺害予告が届いたり撮影中ずっと強い批判にさらされ続ける等、印象を下げる話ばかりが後を絶たず、興行的にも大失敗という最悪の結果に。
『ファンタスティック・フォー』って呪われてるんですか??
そんな呪われた(?)『ファンタスティック・フォー』ですが、またしても三度目の正直とばかり、今度はMCU版を製作することが決まったそうで、監督はMCU版スパイダーマンシリーズのジョン・ワッツ監督。
製作に入るのは『スパイダーマン』の3作目を作り終えてからではないかといわれており、まだまだ何の予定も決まっていない様子…またコケてもショックを受けないよう、期待値は低めでいっとこ。
1作目を見て面白いと思った人と、クリス・エヴァンスのファンの方々にはお勧めしますが、他は…ただひたすらクォリティーの低いCGとクソガキジョニーの反抗期を見せられますのでご注意。