ダブルボーダーのレビュー・感想・評価
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汗臭い
序盤に登場する軍人たちの戦死報告書が飛び交うが何ともヘタクソな演出かと、そんなんは物語も中盤位で観ている側を驚かせてほしい所、ニック・ノルティ演じる警官と麻薬王である親友同士の決闘から単にアクション映画にはしない雰囲気を醸し出し、物語とドウ絡んでいくのか謎な存在の軍人たちかと思いきや終盤は雑な展開で不問にされてしまう事柄!? 何気に見たことある役者陣、麻薬王は『Uターン』でニック・ノルティも一緒、これまたショーン・ペン主演の『バッド・ボーイズ』に『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』に出てた奴など脇役で頑張る俳優たちに拍手喝采。 原案は『ダーティハリー』や『地獄の黙示録』の脚本や監督としても『デリンジャー』に『ビッグ・ウェンズデー』を撮ったジョン・ミリアス、監督のウォルター・ヒルとは『ジェロニモ』でも組んでいるが単調なアクション監督のイメージが拭えないウォルター・ヒルよりジョン・ミリアス自ら監督していた方が良かったような?
謎の前半は素晴らしいが、後半にアイアンサイドの狂気炸裂
謎が謎を呼び、意味不明で破綻した映画は、時にスリリングだ。でも最初から終わりまでそれでは、ただの意味不明な映画で終わってしまう。だから、どこかで謎解きがされて、観客は、そうだったのか!と答え合わせの悦びに浸ることができる。
この映画の前半は謎がその効果を存分に発揮している。だから後半への期待が増しに増すのだが、残念ながら謎は謎のままな映画であった。
物語は、テキサスの警官の麻薬犯罪を征伐する流れと、謎の軍人集団の謎の行動が平行して進む。
世界各地の戦場で死亡したと記録されている謎の軍人集団がテキサスの田舎街に集結。カタカタと昔ながらの印刷機の音で、「〇〇軍曹、ホンジュラスにて死亡」とプロフィール写真と経歴が紹介され、その唐突さが笑いを誘う。いい人たちなのか、悪い人たちなのかがわからない。ただ、マイケル・アイアンサイドがいい人であったことはほとんどないが、アイアンサイド以外が愛嬌があってすごくいい人に見えるので、前半はまだよくわからないままだ。
一方、地元のテキサスの警官(保安官?、警官と保安官の違いがわからない)であるニック・ノルティは、麻薬犯罪が横行し始めた街で、頑なに正義を貫く。メキシコに逃げた親友のパワーズ・ブース演じるキャッシュは麻薬で成功し、国境を越えてテキサスにまで商売を広げて悪名を轟かせている。その部下たちが我が物顔で麻薬商売を場末の飲み屋で繰り広げていると、暴力で制裁、反抗すれば有無を言わさず容赦なく射殺。むかし、幼馴染の親友だったキャッシュにもこれ以上続ければ、命はないと捨てゼリフをはく。
ここまで観てて、いろんな疑問が頭をよぎるが、勢いがあって面白いから許せちゃう前半。
さあて、後半にいろいろわかってくるかなあと期待していたら、国のためという大義名分で、軍人集団は麻薬犯罪で稼いだお金を強奪するため銀行強盗までしでかすテロリストであることが判明。自分たちの正義を信じて銀行強盗はないでしょう。でも、私のような無知な観客は、正義のためにそういうやり方で、仕事をするのもありなのかなと、マイケル・アイアンサイドをまだ少し信じている部分があったが、ラストでその微かな信念は崩壊する。
キャッシュのアジトを知ってるから、殲滅作戦を決行しようと、ニック・ノルティや軍人仲間を誘っておいて、実はキャッシュと手を組んでいると言い出し、メキシコのアジトで、キャッシュの会計士を殺して、一緒に金を奪って逃げようと他の軍人仲間をまた誘惑。
キャッシュと組んでるのに、銀行強盗して、彼の金を奪い、そのアジトに来て会計士を殺してまた金を奪う。
これらは、完全にキャッシュに敵対する行動ばかりであり、こいつはもう1人で金を独り占めして逃げようとしているだけ。仲間の軍人たちやニック・ノルティを身の危険にさらして、自分のことしか考えてなかったなんて、さすがマイケル・アイアンサイド!そして、なんの悪びれることもないそのふてぶてしい態度は狂気そのもの。
ニック・ノルティも、仕事中にふらっと協力してくれたマイケル・アイアンサイドの経歴を署で調査して、DEA(麻薬取締局)から派遣された役人じゃないとわかったのに、そのまま組んで敵のアジトに向かうのってどうなの?危なすぎ。
死亡記録の軍人たちは、いったいなんで、死亡扱いにされてまで、こんなクソ上司に素直に従っていたんだろう?そのせいで、みんなワイルド・バンチ並の少数で無謀な戦いを挑むことになり、死んでしまうのだった。なぜ?謎は深まるばかりである。
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