「【未解決連続殺人事件に関わり、運命が変わる男たちの姿を描く。明快なラストを求める観客に対し、デヴィッド・フィンチャー監督の”そんなに簡単に真実は掴めないよ。”と言うメッセージが発信された作品である。】」ゾディアック NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【未解決連続殺人事件に関わり、運命が変わる男たちの姿を描く。明快なラストを求める観客に対し、デヴィッド・フィンチャー監督の”そんなに簡単に真実は掴めないよ。”と言うメッセージが発信された作品である。】
■1969年7月。カリフォルニア州でカップルが銃撃され、女性が死亡する事件が発生。
しばらくして、犯人から新聞社に犯行を告白する手紙が届く。
やがて、事件は世間の注目を集めると共に新たな事件が発生。
新聞記者や漫画家など、4人の男たちが真相を追う。
◆感想
・未だに解明さ照れていないこの事件を、デヴィッド・フィンチャー監督が描いた理由は”真実を突き止める難しさ”だと思う。
・ジェイク・ギレンホール演じるロバート・グレイスミスもその真相に近づきつつも、時の流れによって、真犯人を突き止められない。
・マーク・ラファロ演じるデイブ・トースキー刑事も同様である。
・ロバート・ダウニー・Jr演じるポール・エイブリーは、長年の捜査により身を崩している。
<今作で、デヴィッド・フィンチャー監督が描きたかったのは、犯人が捕まらない中、その犯人が残す暗号などにより、徐々に人生を崩されて行く様ではなかったかと思うのである。
日本でも、迷宮入りになっている事件は山ほどある。
その捜査に当たっている方々が定年を迎え、忸怩たる想いを述べている記事を幾つか読んだ記憶がある。
今作は、明快なラストを求めがちな観客に対し、デヴィッド・フィンチャー監督の”そんなに簡単に真実は掴めないよ。”と言うメッセージではないかと思った作品である。>
コメントする