あるスキャンダルの覚え書きのレビュー・感想・評価
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頼りないケイト・ブランシェットを見たかったら
女王さまキャラのケイト・ブランシェットが、頼りなく、頭もそこまで…の役で、ちゃんとハマってます。でも魅力的。ジュディ・デンチが主演女優賞を、ケイトが助演女優賞を総なめにしているんですね。
LGBTの描き方も、今ならもう少し違うかも。
【5.26追記 アカデミー賞は、お二人ともノミネートで、受賞はならずでしたね。】
ドキドキした
ケイト・ブランシェットがとても美しくて見入ってしまう。
この美貌なら小学生と関係をもつこともあるかもしれないと思う。
海外の小学生は成熟なイメージがあるから。
内容は、有名な事件であるけれど、サスペンス的な描写だと思った。
バーバラ役のジュディ・デンチの口調で語られる思い。
最初は新任教師への嫉妬かと思った。
しかし、それはやがて異常性であると観客に気付かせ
いつしか偏った愛になっていく。
独占したい思い、
近づきたい思い、
秘密の共有という興奮に
それを盾にした支配、
依存(猫の死の時など)
ボディタッチ・・・
そして復讐。
ハートマークのシールなど
作品の完成度が素晴らしいと思う
極めつけは
最後他の「代役」を見つけるところ
とても良い作品を見たと思った
孤独と依存と執着と…
もうジュディデンチ演じる先生に圧倒…孤独を埋めるために他人に依存し、束縛と執着と…めちゃくちゃ怖かった。恐ろしい。自分のことを普通やと思い込んでる人が1番怖いかもしれんなと思いました。そして、ケイトブランシェットがめっさ可愛い。あんな綺麗な先生どこにおるねん!!そら、執着もするがな!ってなった←おい
新しい目線!
こじらせ恋愛系サスペンス色々と見ましたが
バーバラのキャラは今までなかったし
定年間近のレズビアンでストーカー気質。こんな人に好意を持たれたら嫌だという
新しい発見。また、バーバラの目線で伝えていくのが良い。
シーバの目線で、暴露した犯人探しなら多いパターンだけれど。
シーバは愚かだけれど主婦業に必死だった10年近くから解き放され社会に出たら女として見られることに忘れていた自分に目覚めちゃうってわかる。
まぁ、未成年はやめとこうね〜。
おんなとせいよく
いかにもイギリス作品という感じ。品よく仕上げながらも、小粒だがきりっと渋苦味が効いた佳作。
ストーリーはオールドミスの教師(日本でいう中等部と高等部をまたいで受け持っているような感じ)バーバラ(ジュディ・デンチ)は辛らつ狷介な性格ゆえか親しい友もおらず、猫と孤独に暮らしている。そんな彼女の趣味は日記で、日頃の鬱屈を丸ごと吐き出すように綴るのが日課だ。そんなあるとき新任の美術教師シーバ(ケイト・ブランシェット)が赴任してくる。彼女の美しさに惹かれ、友達となり、入り浸る。ふとしたきっかけでシーバの秘密、まだ15歳の男子生徒と情交を重ねていることを知ったバーバラは「彼女を支配しよう」と日記に書き記し、実行に踏み切る。シーバの家庭を壊し、生徒と彼女のキャリアを破滅させ、バーバラのたくらみは成功するかに見えたが、シーバは企みを知り、家庭に戻っていく。そしてバーバラはまた新たなターゲットを見つける。
正直、この映画にでてくるのはいわゆる「えげつない」人間ばかりだ。(もっとも気をつけなくてはいけないのは、どこからどこまでがバーバラの視点で、どこからが登場人物たちの視点なのかがあいまいな点である。全てがバーバラの視点ともいえるし、そうでないともいえる。暫時都合よく脳内変換していくような人間の語る言葉をナレーションにしているので、それを信じるべきかどうかは観客にゆだねられている。)「労働者階級の学校」と自らの職場を一刀両断し、遠慮なく他者を罵りながらも、シーバの髪の毛まで収集し日記に貼り付けるような執念をみせるバーバラはもとより、その被害者たるシーバも、もとは自分の担当教授だった男を色仕掛けでその妻から略奪したような人間だし、その相手となる教え子の少年だって、問い詰められれば「性欲だけでした」とあっさりゲロっちゃうようなアリサマである。(その反対にシーバの家族は温かみのある描かれ方をしており、そこに安住しきれないシーバの業の深さが際立つ図式になっている)エゴとエゴがぶつかり合うような作品ではあるのだけれども、アメリカのサイコスリラーのようにこれでもかこれでもかと食傷するまで波状攻撃をかけるわけではない。いささか説明過多かなとは思うけれども、舌の上にいつまでもしつこく残り続けるというわけでもない。ぎりぎりの品よさを保っているのはさすが。ある程度の年齢いった女なら、バーバラの独白する「何かの拍子にバスの運転手の手が触れただけで下腹部が熱くなる」というような台詞には共感できると思う。孤独と性欲、そしてそれだけではない他者を求める有無を言わせぬ力。それに突き動かされるバーバラを哀れには思うけれども、共感はできない。ふとバーバラは同性愛者であることを認め、カムアウトすればもっと事態は良い方向へ進んでいくのでは?とも思ったが、それができないからこそ、ああいう人間へ作り上げられてしまったのではないだろうか。バーバラの願いを誰も受け止めない。シーバの欲求も受け入れるものはない。シーバを「愛した」男子生徒も、シーバの真の欲求からは逃げており、夫の思いを(根源的なところで)拒否しているからこそ今回の事態が招かれたことを考えると、誰の感情も交差せず、なんとなく登場人物全員が線の切れた電話機に一生懸命話しかけている印象があった。(シーバはダウン症の息子を預けられるようになったから教師になったし、娘の恋人はでてこず、彼女は「携帯」にむかって喜怒哀楽を繰り返している。)「受け入れてくれ」という叫びで構築された映画、といえなくもない。
アカデミー賞、主演助演女優賞にノミネートされたことをみれば瞭然であるが、とにかくジュディ・デンチとケイト・ブランシェットの演技合戦が見物。ジュディ・デンチは今回、常に人をバカにしなければプライドを維持できないような壊れた人間をいつでもシャツの第一ボタンまで締めている律儀さで演じていました。女優の演技合戦なんていうと、常に相手より一歩前にでることをお互いが意識しあっている様相を呈しかねないが、ケイト・ブランシェットはやや引きづられ気味ながらも、堂々と渡り合っていた。(どうでもいいが、ケイト・ブランシェットの旦那役のビル・ナイとジェームズ・クロムウェルが私はいっつも区別がつかない。)しかしジュディ・デンチはすごいね。こういう変態おサイコ系の役からシェークスピア、007の上司からイギリス女王まで演じきれる力量に驚嘆した。(そのあたりはアンソニー・ホプキンスをチョト連想したりしなかったり)さすがはディムですな。
昔、「マリアの恋」という佐藤愛子の小説を読んで、年をとっても性欲が存在したらどうしようと思った。男はそういう意味でうらやましい。年をとっても性欲を消費できる環境(つまり風俗やらなにやら)があるが、女にそれはない。賞味期限が切れてしまったらあとは腐り果てるだけなのだ。バーバラは醜いが、だがそれは単にオノレのある部分を鏡面の中に見出しているようなものなのだ。「性欲」と「補完欲求」という、「自分」の一番弱い部分を。
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