劇場公開日 2007年6月9日

「デヴィッド・ボウイがニコラ・テスラ」プレステージ 杉本穂高さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5デヴィッド・ボウイがニコラ・テスラ

2024年12月29日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

二コラ・テスラのあの装置は、どう捉えたらいいんだ。19世紀末のロンドンで、2人のライバルマジシャンが互いの足を引っ張り合い、覇権争いをする様を描く内容で、愛憎半ばする部分もある2人が時間軸を解体して描かれる。この映画に二コラ・テスラが登場するのだが(しかも演じるのはデビッド・ボウイなのが良い)、彼が、人間でも物体でもなんでも瞬時に複製する機械を発明する。それをマジックに取り入れようとするわけだが、人間が増えるってどういうことなんだろうか。いやまあ、フィクションだから突っ込んでもしょうがないかもしれないが、自分と同じ存在がこの世に発生してしまうのは、それはもうマジックどころではないのではないか。世紀の大発明じゃないか。
まあ、でも科学に対する目くばせは、クリストファー・ノーランのらしさが出ているところかもなあという気はする。
主演の2人、クリスチャン・ベールとヒュー・ジャックマンはとても良いし、マイケル・ケインの使いどころもノーランらしさがある。

杉本穂高