大統領の陰謀のレビュー・感想・評価
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Just follow the money. 個人情報駄々漏れ
有名だからという理由で午前10時の映画祭で観賞しました。うーん、長いし、たいして盛り上がらないしで観ててしんどかったです。
話の作りがウォーターゲート事件を知ってる事前提なんですよね、この作品って。ウォーターゲート事件って盗聴してたのがバレてニクソン大統領の辞任に繋がったぐらいの記憶しかなかったので、本作はハードルが高かったです。もうけっこう置いてけぼりで、「この人達は今いったい何やってんだろう?」ってな感じになりました。この作品はその時代に観るから楽しめる系のヤツで、今観ると厳しい物がありました。古い映画でも今観ても面白い物もあるんですけど、本作は違ったみたいです。「ペンタゴン・ペーパー」はあんなに面白かったのになぁ。
でも当時って簡単に名簿手に入れたりしてて個人情報って駄々漏れだったんですね。しかもあんな感じで新聞記者とか突然やって来たら今なら追い返す事でしょう。絶対家に招き入れたりしない。ある意味スゴい時代だなぁ。
今ではしわくちゃなイメージのロバート・レッドフォードにシワがない!ダスティン・ホフマンにもシワがない!今のおじいちゃん俳優の若かりし頃を見るのはちょっと面白いですね。でも他に大して見る所のない作品でした。
Non-denial denial
Watergate事件が発覚した1972年6月以来追い続けてきた新聞記者2人の取材過程を、彼らの著書を元に描いた作品。
1976年公開ですから、当時の米国内ではホットな話題だったでしょう。再選されたニクソン大統領が1973年1月に宣誓する日までの過程であり、映画のエンディングとしては物足らなさも感じますが、この事件が世間の注目を集める以前の事態を描いており、当時は大統領を辞任にまで追い込んだスキャンダルの発端に関心が高まっていたのだと思います。
極めて多くの人間が関わっているため、次々と名前が挙げられますが、何故その人に辿り着いたのかという詳細を省く所も多々あり、付いていくには知識を要します。
当時はまだ”Deep Throat”の正体が不明でした。情報源から会話のアヤとも取れるやり取りを重ねることで推測を裏付けていく記者の作業。地道な報道により政治を正した新聞社の活躍によって、この頃ジャーナリズムの職を希望する人材が増したとのこと。
映画のシーンとしては、Redford演じるWoodwardが電話取材中、奥で職員達がテレビのニュースに動き回り、段々とカメラが彼に近づいていく長回しが上手いと思いました。
担当していたWoodwardとBernsteinがBen Bradleeにより”Woodstein”と略されている所も面白いです。
“The Post”でMeryl Streepが演じた社主は名前でしか触れられません。しかもMitchellによる彼女に対するセクハラ発言(^_^;)。
偽装された手紙の真実も、女性記者(へ)の色仕掛けを匂わせていました。偽装よりも浮気を疑われることで、Clawsonがペットの犬と猫まで心配している辺りがちょっと笑えます(^^)。
取材は、落ち葉から枝を特定し、大木の根元まで辿るような作業。隠蔽工作を画策する者の目的は、その上位の/根幹にいる者を疑惑の目から守ること。つまりは、隠蔽工作が明らかになった時点で、上に立つ者は極めて疑わしく、責任は免れないということ。
時事問題を考える上で教訓を与えてくれる歴史的事件でした。
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