「レビューする価値もない。」大日本人 zippo228さんの映画レビュー(感想・評価)
レビューする価値もない。
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松本人志の映画作品は、なぜか起承転結という基本を過度に意識した脚本作りをしており、それが過度であるためにわざとらしいストーリーテリングになってしまっているという点が全てに共通しています。ひとことで言えば素人臭くて下手だという事になるでしょう。
この監督第1作にしても、赤い怪獣が現れた所が「転」となっていますが、その後の展開はどんどん客を冷めさせる結果をまねいています。
その原因はどこにあるかというと、「転」というものは、つまり観客にインパクトを与える展開部を意味するわけですが、本作の場合、「起」、つまり冒頭部が、実はすでに「転」になっているのです。
冒頭部で主人公の男が電気ショックによって巨人になるという描写そのものがインパクトの役割を果たしているため、「起承転結」というよりは「起(=転)承転結」といった方が正しいわけです。
つまりひとつの作品において「転」が2回起こる。すると180度+180度で、展開が一周してしまうので、最後まで見た観客は冷めるという結果になってしまいます。松本人志はこの事に気づいていません。
その対案としては「起(=転)承結」という物語展開にして「転」を意図的に省くという事が考えられますが、そんなところまで頭が回らなかったんでしょう。
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