「ルワンダ大虐殺の悲劇」ホテル・ルワンダ odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
ルワンダ大虐殺の悲劇
ポール・ルセサバギナの自伝を基にしたルワンダ大虐殺の悲劇の中の一筋の光明を描いた物語。
ルワンダ屈指の豪華4つ星ホテルが難民救済所と化し主人公の支配人の機転と要領で人々を守り抜いた奇跡の実話。
国連軍もいるのですが部下を10人も殺されても民間人の凌辱や虐殺が横行しても手出しができません、当時の国連のPKOの責任者はガーナ出身で後に事務総長になった人物ですが内政干渉に極端に抑圧的でした、現地の部隊長は見るに見かねて独断で支援を尽くしてくれますが所詮、多勢に無勢、頼れるのは袖の下で繋いだ将軍とのコネとは現実的・・。
主人公が悲劇を撮影した英国人ジャーナリストに「これを見てくれれば世界が助けてくれる」と礼をいうと「同情はするが行動はしないだろう」と無慈悲な答え、これまた現実、身につまされます。
結局、ツチ族のルワンダ愛国戦線 (RPF) が制圧するまでの100日間は耐えるだけの日々でした。
インドのパキスタンとの対立構図を招いたのも英国の統治政策でしたがルワンダの民族対立も元はと言えばベルギー統治下で部族分けや偏重を進めたことが要因でしょう。
人は何か不条理なことに突き当たると自分の不幸を他人のせいにしがちです、怖いのは雑誌やラジオなどのメディアがプロパガンダとして対立の扇動に一役かってしまうことでしょう。アメリカの大統領選挙報道を見て、相も変わらずの様相に唖然とするばかりです。
幸いにも今のルワンダは外資にも恵まれアフリカの奇跡と呼ばれるほど復興、近代化が進んでいるようですが9月に気になる報道(BBC)がありました、ベルギーで暮らしていた筈のポール・ルセサバギナさんがドバイ空港で拉致されルワンダの刑務所に収監されているとのこと、反政府運動の容疑らしいですが否認しています、続報が気になりますね・・。